ズームヴェイパーフライ4%とズームフライを履き比べ

早くなるほどに軽くて薄くなるのが一般的だったランニングシューズの常識を覆したナイキのヴェイパーフライ4%。世界のトップ選手たちこのシューズを使って次々と記録を更新したことで市民ランナーの間でも爆発的に広まりました。そんな魔法のシューズがあるのならばと今シーズンは長年愛用していたターサーを封印してズームフライ&ズームヴェイパーフライ4%を使っています。練習用のズームフライ、大会用ズームヴェイパーフライ4%を履き比べてみたので両者の違いなどをレビュー。


ズームフライの特徴

Nike史上最も効率性に優れたマラソンシューズであるヴェイパーフライ4%をヒントに、カーボン混ナイロンプレートを採用したナイキズームフライ。過酷なテンポラン、長距離ラン、レース本番などさまざまなシーンでのニーズにパーフェクトに応える一足です。

引用:公式サイト

アウトソールのクッション材の間にカーボン混ナイロンプレートが挟みこまれていて、これにより推進力が得られます。

見ての通りつま先がけっこうせり上がっていて、このシューズで走るときは前傾姿勢でフォアフット着地がベスト。ターサーを使っていたときはヒール着地気味だった自分にとって最初は戸惑いましたが、いざやってみると体が前に押し出されるような感じで跳ねるようにポンポン走れてしまう。

ズームヴェイパーフライ4%の特徴

世界最速のマラソンランナー、エリウド・キプチョゲがベストな走りをすることを目的にデザインされ、特徴は超軽量かつ柔らかくエネルギーリターン率が最大85%にものぼるナイキズームXフォームと、シューズのソール全面に内蔵されソールの硬さを高め推進力を感じさせる曲線状のカーボンファイバープレート。これによって、今までのナイキ最速とされたレーシングシューズ(ナイキストリーク6)に比べて、ランニングの運動効率が平均4%高いことが実証されている。

引用:公式サイト

フルマラソンで2時間の壁を破るべくナイキが立ち上げたBreaking2。複数のペーサーが交代で風よけになって人類の壁に挑むプロジェクトは圧巻で、ゴール目前の手に汗握る展開はランナー必見!これに合わせて開発されたのがヴェイパーフライエリートで、その市販モデルがズームヴェイパーフライ4%。使用素材が一部異なりますが、基本設計や構造は同じです。

ズームフライ同様にクッション材の間にプレートが挟み込まれているんですが、こちらは正真正銘のカーボン。それとクッション材もズームフライとは異なるズームXという素材を使っています。

前足部はズームフライよりもせり上がっていて、さらに前に出る感じ。

アッパーやヒールまわりは薄くてレーシングモデルにふさわしい軽さ。足をサポートするようなパーツは皆無なので上級者向けモデルです。

スペックの違い

ズームフライ ズームヴェイパーフライ4%
アッパー素材 Flymeshアッパー Flymeshアッパー
プレート カーボン混ナイロンプレート カーボンファイバープレート
中足部フォーム Lunarlonクッショニング ズームXフォーム
インナーソール 取り替え式 取り替え不可
生産国 ベトナム 中国
重量 221g ※サイズ26.0cm 185g ※サイズ26.0cm
厚さ 前足部:2.7cm
後足部:3.6cm
前足部:2.8cm
後足部:3.9cm

重量

片足あたり36gも違います。ヴェイパーフライ4%はアッパー素材が薄いというのもありますが、一番はクッション素材の違い。

クッション素材

ズームフライはルナロンなのに対してヴェイパーフライ4%はズームX。分厚く見るからにずっしりした見た目とは裏腹に、持った時の激軽さはヴェイパーフライを持った人のほとんどがたまげます。この素材は航空宇宙産業の分野から取り寄せているので大量生産できないそうで、なかなか生産数が増えないのはこれが理由。ちなみに同社のズームペガサスターボも同じズームXが使われていますが、ヴェイパーフライ4%ほどではないにせよ入手はそこそこ困難。後述しますが、走ったときの感じはルナロンとズームXで全然違う。

プレート

ナイロンとカーボンなのでそもそもの硬さが全然違う。ズームフライも十分に硬いシューズですが、ヴェイパーフライは手で押さえつけてもまったく曲がらないほどガチガチの硬さ。左のヴェイパーフライは地面に当てているだけに見えますが、実際はかなりの力で押しつけてますから。

アッパー

ほぼ縫い目のないフライメッシュアッパーは共通ですが、ズームヴェイパーフライ4%はレーシングモデルらしくムダな物を削ぎ落とした感じ。ヒールカップなんて薄くてペラッペラなので、着地時に足がブレてしまうランナーには不向き。

走りの違い

ヴェイパーフライ4%はズームフライが軽くなった感じかなと思っていましたが、いい意味で期待を裏切ってくれました。まず、足を入れてその場でジャンプしただけでもクッション性の違いははっきりわかる。ズームフライの厚底が地面からの衝撃をしっかり吸収しているのに対し、ヴェイパーフライ4%はそのさらに上をゆく異次元のクッション性。フワ?フニャ?なんともいえない心地いい着地感で地面からの衝撃は限りなく少ない。ズームXの着地感はアシックスのFlyatefomeともGELとも違う独特な感触です。

走り出してみるとこれまた違いがはっきりと体感できます。というかできないと困るw
初めてズームフライを履いたときはずいぶん前に進まされるシューズだと感じましたが、ヴェイパーフライ4%はその上をいく推進力。そんなに頑張って走ってるわけじゃないのに、どんどん体が前に押し出される感じ。止まった状態から足をつま先側へ曲げてみるとわかるんですが、ヴェイパーフライ4%の方がよりつま先部分がせり上がっているのでズームフライよりも前傾で走ることになる。そして前足部着地した足は地面に着いた瞬間ポンポン前に出るもんだから面白いほど前に進めてしまう。この走らされる感じはカーボンプレートの恩恵もありますが、ズームXによるところも大きい気がしています。というのも、最近買ったズームフライニット(ヴェイパー同様にカーボンプレート)ではここまでの推進力を感じられなかったので、ソールの素材による影響もあるなと。

ズームヴェイパーフライ4%でフルマラソンを走ればズームフライよりも確実に早く走れると思います。ただし、最後までシューズ特性を活かした走りができればという条件付き。先月のぐんまマラソンでズームフライを使いましたが35kmぐらいからジワジワ失速。それだけならよくある話なんですが、ターサーだと終盤で腰が落ちてダメなフォームになっていたとしてもそれなりに足が出るんです。これがズームフライだと途端に走らなくなる。最後までフォアフット着地で推進力を使って走らないと、やたら重い鉄下駄シューズと化します。ヴェイパーフライ4%は20g軽くなってはいますが、ターサージール6と比べたら30g重いですから。

このズームヴェイパーフライ4%を大会で使うなら足づくりが必須。このシューズに合わせてフォーム変えないと本来の推進力は得られないし、その走りをするためにふくらはぎや前腿の筋力を鍛えないとまず最後まで足がもちません。そのために練習ではズームフライを使って、ここぞという大一番でヴェイパーフライを投入がこのシューズの使い方。ズームヴェイパーフライ4%の耐用距離は160kmと言われているのでフルマラソン4本使ってお終いというのはなかなか短寿命。
30kmしか使ってないけどヒール外側が傷んできたのは走り方がよくないからか・・・。普通にヒール着地してたらあっという間に終わると思いますw

ただ、このシューズのクッション性は絶大で、ターサーで走っていた頃は翌日多少なりとも痛みが出てましたが、ズームフライだとこれがかなりかなり軽減されてて翌日普通に山を走れてしまうほど。アメリカの大会ではナイキに限らずソールの厚いシューズを使う人が多いそうで、日本ではなんであんなに薄いソールのシューズが売れまくるのかと不思議がられるんだとか。アメリカ人の体格を見れば理にかなってる気はしますがw いずれにせよ薄くて軽いターサーが足に優しくないというのは間違いない。

大会でも以前はターサーばかりだったのが最近はズームフライorヴェイパーフライ4%を多く見かけます。シューズに合わせて走り方を変えなければならなかったりと障壁はありますが、サブ3目前で停滞してるなんて人は試す価値アリだと思います。それとケガに悩んでいるランナーにもオススメしたい。ズームヴェイパーフライ4%は手に入りづらいですが、合う合わないもあるからかメルカリやオークションサイトを見てるとハーフ1回履いただけなんて美品がお手頃価格で見つかったりも。その際はソールの痛み具合を必ずチェック。

今より4%早く走りたいランナーはお試しあれ。

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