ランニング本では空前のベストセラーとなった「Born to RUN」
著者が伝説のランナー民族であるタウラマラ族を追いながら、人類の走る歴史や進化、裸足で長距離を走るタウラマラ族の秘密に迫ります。
ソールの厚いランニングシューズを履くから故障する
走ることが大好きなのに、故障の繰り返しで苦しむ著者。彼がタウラマラ族から走り方を教わると、不思議なことに故障しなくなるのです。裸足で走るというのは人間が本来持っている機能を使うということで、クッションの入ったシューズで走る事が故障の原因だと。
江戸時代の飛脚だって足袋で東京~京都を走っていたわけだし。ソールが分厚いシューズは、着地した時の衝撃でブレてしまい、それが関節によくないという説もあります。
ランニングシューズの歴史を見ると、ソールにクッション性を出したのはここ最近の話なんです。
ランニング障害の原因はナイキだった?
本書の中で、現代に足の障害を増やした原因はナイキであると主張。ヒールにクッション性をもたせて踵から着地することを推奨したナイキはコルテッツというランニングシューズを生み出します。これが大ヒットとなり、同社はビジネスで大成功を収めるのですが、引き換えに多くのランナーが足の障害に苦しみます。
フォアフット(足裏全体で着地)の有用性が説かれ始めると、一転してナイキは裸足ビジネスにかじを切ります。そうして生まれたのがNIKE FREE。ビジネスでしか物事を考えないナイキという会社を本書では悪として扱っています。このNIKE FREE登場の裏にはナイキ社内でも反対意見があったそうです。なぜなら、フォアフットを推奨することはこれまで自分たちがしてきたことを否定することになるのですから。
空前のランニングブームでランニング人口は毎年増え続けています。売れ筋となるシューズはソールが厚いモデル。金額が高いのも同様に。
走るだけなら誰でもできますが、故障しないで走り続けられる人はごく少数。本当は時間をかけてじっくりと走れる足を作るのが解決策なんでしょうけど、それができないから皆ソールの厚いシューズを買って走りこむ。そして故障・・・
最終章で、アメリカのウルトラランナー VS 裸足のタウラマラ族の対決は必見。
400ページの超大作ですがランナーなら一気読みの内容です。
この本を読むと、裸足ランをしたくなること間違いなし。
コメントを残す