槍ヶ岳日帰りトレイルラン
(穂高温泉~槍ヶ岳~上高地) 前編

トランスジャパンアルプスレース(TJAR)を見るたびにアルプスを走りたいという思いにかられていました。1日で行って帰ってこれそうなアルプスの山を探してみたところ、どうやら槍ヶ岳がアクセスもよく距離的にも射程圏内。
いつかは登りたいと思っていた山へ、走りに行くとは思ってもみませんでした。


ルートは新穂高温泉~槍ヶ岳山頂~上高地の35km

今回、上高地側と穂高温泉側のどちらから入るか迷いました。
聞くと上高地から登る方が景色がいいなんて声もあったのですが、今回はあえて新穂高温泉から入ることに。
というのも、9月末の三連休で槍ヶ岳名物の山頂渋滞は避けられないでしょう。※槍ヶ岳山頂は狭く交替制。しかも絶壁をハシゴで登るため渋滞します。長い時は2時間待ちなんてことも。
そうなると少しでも早く頂きに着きたいので、距離が短い穂高温泉側から入った方が得策ではないかと。それに帰りが東京方面なので上高地に抜けた方が楽ですし。最悪の場合は頂きを踏まずに下山という選択肢もありますが、山頂を目の前にしてその決断ができる気がしない・・・

とりあえず、コースタイムの半分を目標に行程表を組んでみます。
穂高温泉バスターミナル(6:00)
~白出沢出合(7:10)
~滝谷出合(8:00)
~槍平小屋(8:40)
~千丈分岐点(10:15)
~槍岳山荘(12:00)
~槍ヶ岳山頂(12:30)
~槍岳山荘(12:55)
~ヒュッテ大槍(13:10)
~水俣乗越(14:00)
~大曲(14:30)
~槍沢ロッヂ(15:00)
~横尾山荘(16:00)
~徳沢(16:40)
~名神分岐(17:10)
~上高地バスターミナル(17:40)

若干余裕を持たせたので、あとはこれをどこまで縮めることができるか。
上高地から新宿への直通バスは最終が16時15分なので、あわよくば乗れたらいいなぐらいに期待しつつ。乗れなければ松本行きのバスに乗るまでです。バスの最終は18時なので大丈夫でしょう。松本に20時までに辿り着ければその日中に東京へ帰れます。

距離的には問題ないのですが、標高3,000mオーバーの中はたしてどこまで走ることができるやら。
単独なのでとにかく怪我をしないようにすることと、ムリをしないという事をしっかり肝に命じて出発。

9月20日(金) 22時30分 都庁前バスターミナル

金曜夜、新宿駅には家路につくサラリーマンに混じって、大きなリュックを背負った山男、山女がちらほら目につきます。そんな彼らがたむろする駐車場には北~中央~南アルプス方面へのバスが待機中。

p-0375_R

今回は極力荷物の軽量化を図りました。中でも雨具の新調は効果絶大。防寒着やら着替えはジップロックで圧縮して詰め込みます。なんだかんだ5.5kgとコンパクトだけどずっしり重い。うち2kgは水なんですけどね。
DSC_0287

バスに乗り込んでいきなりやられた・・・座席にお隣さんと共有の肘掛けがないんです。スタンダードを選ぶとこうなる。。
しかも久しぶりの夜行バスで持ち物から抜けてたエア枕。これさえあればもうすこし快適なバスの旅になったはずが。痛い。

9月21日(土) 6時00分 穂高温泉バスターミナル

薄暗い中にうっすらと山々がそびえています。バスは5時20分に穂高温泉バスターミナルに到着。意気揚々とバスから出るとすごく寒い!10度以下で慌ててバスに戻り車内で身支度を整えます。
p-0379_R

体もほぐして準備万端!ここから槍ヶ岳目指して出発です。

しばらく川沿いの林道が続きます。
p-0381_R
この道は許可車両が走ることができるようでトレイルラン向き。先行するハイカーをどんどん抜かします。肌寒いのでヘリウム2ジャケットを着てましたが、軽さを改めて実感。重量はホント重要。

6時58分 白出沢出合

途中トイレ休憩をはさみつつこのペースなら順調です。砂利道なので走りやすいとはいえませんが、朝の穂高は気温も低く、軽く汗ばむ程度でウォーミングアップ。
p-0383_R

車が入れるのはここまで。ここから先は道幅も狭くなり石の道がひたすら続きます。大きめの石はしっかり地面に埋まってるのでテンポよく進めます。 こういう道はけっこう好き。
p-0385_R

7時36分 滝谷出合

遠くにそびえるドームはジャンダルム。
p-0390_R

徐々に日が射してきました。それでも気温は10度前後と早朝の山はだいぶ涼しい。
p-0396_R

p-0397_R

木の板をわたして道が作られているおかげで、楽に進めます。道を作ってくれた人に感謝感謝。
p-0398_R

8時12分 槍平小屋

p-0400_R

ここまでは標高差もそれほどないので予定よりも30分早く到着。
ジェルを補給してしばし休憩していたのですが、日陰は気温が低くて動いていないと体温を奪われそうなのすぐに出発。

雲一つない空の下、テントがちらほら。日が当たるところでは汗ばむ陽気になってきました。
p-0402_R

槍平小屋から先は急な登りが増えて一気に標高が上がります。
p-0405_R

ところどころ紅葉が始まっていました。
p-0406_R

p-0410_R

視界が開けてはるか上方に槍ヶ岳山荘が見えます。
ということは左側の頂は槍かな?
p-0415_R

9時21分 千丈乗越

ずいぶん前から槍ヶ岳山荘は見えていますが、まだまだ先は長い。
p-0418_R

遮るものが無く、強い日差しが容赦なく照りつけます。とはいえ、2千メートル後半になると空気が乾燥しているので暑さは感じません。
p-0422_R

振り返るとこれまた素晴らしい眺め。
p-0425_R

富士山6合目付近に似たジグザクの登山道。富士山ほど道が整備されておらず、道に立てられたピンクの旗を目印に進みます。ゴツゴツした岩だらけなので落石には注意。
p-0429_R

足下に標高3000mと書かれた看板が転がっていたので、看板片手に一枚。
p-0431_R

少し前から若干こめかみが痛みだしていました。雲取山の時とまったく同じ症状なので、僕の場合2000mを越えると高山病の症状が出やすいのかもしれません。呼吸を整えながら積極的に水分補給をして進んでいましたが、それでもハイカーを次々と抜かしていました。荷物の軽さは相当アドバンテージ。

10時26分 飛騨乗越

p-0432_R

尾根に上がるとようやく槍が姿を現します。
p-0433_R

はるか遠くには富士の姿が。
p-0434_R

縦走コースには南岳。
p-0435_R

富士と南岳をのぞむなんとも贅沢なテン場。夜は星がさぞ綺麗でしょう。
p-0441_R

もはや道無き道。ピンクの旗だけが頼りです。尾根に上がれば槍ヶ岳山荘まではあと少し。
p-0437_R

急坂を登りきると突如槍ヶ岳山荘が現れました。
槍ヶ岳にタルチョなんてカッコよすぎ!
p-0444_R

10時40分 槍ヶ岳山荘

p-0447_R
予定より80分早く到着。覚悟していた山頂渋滞もまったくないので、混みだす前に頂目指してGO!

ノコギリのように尖った岩。本格的な岩登りの始まりです。
p-0448_R

岩には目印が書いてあるのでルートを見失うことはないでしょう。
p-0457_R

天高くそびえる梯子。岩にしっかりと固定されているので安心して身を任せます。
p-0458_R

落ちたら一発アウト。。
p-0456_R

ルート上は三点支持で無理なく登れましたが、身長が低い女性の場合は少しきつい箇所があるかもしれません。

11時00分 槍ヶ岳山頂

山頂は狭いので順番に写真撮影。
p-0466_R

富士山、奥穂高岳もバッチリ見えて最高の天気でした。
p-0472_R

八ヶ岳方面も遠くまで見渡せます。はるか彼方にはいつも行く奥多摩の山々があることでしょう。
p-0470_R

頂きも踏むことができて大満足。山頂での滞在は10分程度で下山開始です。

後半へ続く

Pocket











コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です