ウルトラマラソンは難しい、けど面白い!
第4回 柴又100Kレースレポ<後編>

前回の続き

謎の失速はありましたが、どうにか息を吹き返して中間点通過タイムは4時間53秒35秒。まだサブ10は十分狙えます。この流れを止めないようエイドの滞在時間は3分ほど。そのまま勢いよくエイドを出発!

そしていきなり失速。。ウルトラマラソンはそんなに甘くありませんでした。
さっきまでの勢いは消え去り、再び激重モードに突入。走ろうとするのですがまったく長続きしません、、できません。
若干登っているのでそれが原因かと思い、ここはあせらず再度仕切りなおすことに。ちょっと休めばさっきみたいに回復するんじゃないか期待しながら河川敷までは焦らず早歩き。

再び河川敷に上がったところで「点火!」

せず。。まったく走る力が湧いてこない。全身脱力感に包まれて走ってもすぐに歩いてしまう状態。

残り45㎞の標識・・・
先は長いなぁ。
DNFしたら楽になれるなぁ。

様々な誘惑が頭をよぎります。

2016-06-05 12.15.05
見ると眼下にはこれから折り返し点へ向かって走り続けるランナーの姿。制限時間ギリギリまで頑張る人がいることを思えばこんなところでリタイアはありえない。目標をサブ10からサブ11に変更してゴール目指します。
51~55km 37:07

2016-06-05 12.25.58
柴又100Kの何が辛いってこの砂利道。土手の下は舗装されていない箇所がいくつかあって、砂利道に入ると2~3㎞続いたり。序盤はなんとも感じませんでしたが、グリップしないわ足裏痛いわで疲労のたまった足にはかなりこたえます。なるべく平らなところを選んですすむのですが、蛇行することになってそれはそれで疲れるという。

2016-06-05 12.39.43
ようやく60㎞通過。ここまで歩いてしまうとサブ11もあやしくなってきました。代り映えのしない河川敷の景色にうんざりしながら、今は3㎞先のエイドのことだけ考えて走っている状態。
この辺りでもまだランナーとすれ違います。見るからに辛そうでとても100㎞走れるとは思えないぐらいヘロヘロになりながら、それでも頑張ってる姿を見るたびにこちらも頑張ろうという気持ちになります。

これまで、どんなに辛くてもレースでは絶対歩かないというのを徹底してきましたが、今回はそれも叶わずよく歩いてる。せめて足を止めないようにと、歩きながら休むようにはしました。足を止めたら最後、動けなくなりそうで怖い。
いつのまにかすれ違うランナーもいなくなり、ひたすら続く道を走っては歩き、走っては歩き。
56~60km 35:41
61~65km 34:26
66~70km 37:21

2016-06-05 13.26.01
こんなにトボトボ進んでいるのに前を行くランナーは遠ざかりません。

2016-06-05 13.30.32
そして後ろから来るランナーとの距離も縮まりません。皆が一様に疲れ切っています
ひたすら続く河川敷を坦々とゴールを目指す風景。
ふと初めてフルマラソンに出たときの思いがよみがえります。

初めてのフルマラソンで右も左もよくわからず、どうにかたどり着いた30㎞。とにかく足は痛いし体はつらいしという状態のなか、周りを見渡すと同じように苦しそうな顔をしながらゴールを目指すランナー達。この時の言いようのない一体感に魅せられたのがマラソンにハマったきっかけです。あれから3年が経ち、いつしかタイムを1秒でも縮めることが目標になってました。それはとても楽しいことだし、サブ3達成は大きな目標です。ただ、常にタイムを気にしながら走っていると一体感を味わっている余裕がなくなっているのもまた事実。
久しく忘れていた、走るときのあの一体感をここ柴又100Kで思い出させてくれました。

ランナー背中につけるゼッケンには思い思いのメッセージが書かれていて、それを読んでは話しかけてしまいました。

-あわよくばサブ10!-
「お互い間に合わなそうですが、笑ってゴールしましょう!」

-美味しいビールが待っている!- ※スーパードライのイラスト入り
「そのリアルなビールは反則ッス」

-70歳まだまだ現役です-
「僕も死ぬまで走り続けるのが目標です!」

そして印象に残ったこのメッセージ。
-ここ柴又で「共走」することの楽しさを知りました-
なんていい言葉なんだ。まさにその通りだと感じます。

2016-06-05-14.07.02
青空が広がり始めます。

2016-06-05 14.05.24
エイドステーションでコーラを解禁。これまでにも沿道から差し入れのコーラを見かけましたが、飲みだすと止まらなくなるので我慢してきました。だもんでここでは3杯ほどがぶ飲み(笑

2016-06-05 15.55.51
時刻は16時、河川敷には西日がさし始めます。
いつもなら子供と公園で遊んでる時間、父ちゃん今日はフラフラになりながら85㎞地点を通過中。
しかし、改めて写真を見返してみるとどれも代り映えしない絵ばかり。河川敷を100kmというのは感慨深いものがあります。

71~75km 38:17
76~80km 41:18
81~85km 41:46

2016-06-05 17.02.16
残り7㎞。遥かかなたに見えていたスカイツリーがこんなに近くに。ここまで来ればゴールはもうすぐ。エイドで頭から水をかぶり続けてきましたが、それもここで最後。残念ながらサブ11にも届かず、ラストスパートをする余力はこれっぽちも残っていませんが、このすがすがしい気持ちはなんだろう。ウルトラマラソンの魅力なのかもしれません。

2016-06-05-17.23.56
ゴール目指してラストラン!日焼けで肌がピリピリしてきました。


FINISH

86~90km 42:04
91~95km 40:06
96~100km 39:07

タイム:11時間25分17秒
いやはや長かった、けど面白かった!

反省

今回のウルトラマラソンに向けて60㎞走を一度やりました。が、市街地なので信号で止まっている時間もそれなりにあるし、これだけの長時間を一定の速度で走り続けたことは過去にありませんでした。LSDは退屈なのでほとんどやってない。。完全に準備不足です。
それでも今年に入って月間300㎞が続いてるので「100㎞ぐらいなら」という完全におごりがありましたね。ついでに言うと、フルをサブ3.5で走る知人がウルトラだと10時間弱だったというのも勘違いに拍車をかけてしまった。今回のレースペース(km/5’30)で5時間以上走り続けるような練習を何度かやっておけば、もう少しマシな走りができた気がします。後半はkm8分台と、もはや走るペースではありません。

今回ウルトラマラソンを走って感じたのが、フルマラソンとはまったくの別モノだということ。スピードに乗って一気に駆け抜ける走りと、低エネルギーで長時間ひたすら走るのとでは使う筋肉も違います。フルマラソンだったらまず負けないであろう体格をした中年女性やご老人。ウルトラマラソンではまったくついて行けませんでした。それは僕だけでなく、いかにも走りそうなランナーが軒並み歩いていて、年配ランナーがそれをスイスイと抜かしていくという光景、これもまたウルトラマラソン。
一番足りなかったのは「集中力」な気がしています。長時間走り続けるためには筋力も必要ですが、坦々と10時間走り続けるだけのメンタルが一番重要なんじゃないかな。年の功な気もするのでいったいどうやって鍛えればいいのやら。

帰宅してvivosmartを確認すると、
2016-06-05 21.44.16
1,117歩??表示桁数オーバーして変な表示になってます。実際は111,786歩で1日の目標10,000歩の11倍。しばらく休足しよ。

2016-06-05-18.01.47
なんだかんだありましたが、100㎞走ってみてフルマラソンにはない魅力を存分に感じました。忘れかけていた一体感も味わうことができたし。

柴又100K、たぶん来年も走ると思います(笑

記録証

-2016年6月20日更新-
記録証ができたとのことでRunnetからさっそくダウンロードしてみました。
こちらのURLより、「私の記録証」をクリック。自分の写真入り記録証が作成できます。
図1

shot_20160620_180716
Aブロック(陸連登録者)の中だとちょうど真ん中ぐらい。同年代では上位20%といったところで、目指す5%には全然届かず。

shot_20160620_180658
45km過ぎで一度息を吹き返したのですが、そのまま撃沈しっぱなしという。つらかったなぁ80km・・・。

総合部門の結果を見ると、10時間以内で走ったのは929人中62人。6%弱というのはサブ3の割合より少し多いくらい。サブ10はやはりそれぐらい難易度の高い記録なんでしょう。甘く見すぎてました。

Pocket











6 件のコメント

  • ハセツネ走る人でも失速か・・・・

    来年、飛騨高山ウルトラマラソン100k・・・

    71kにしようかな
    と考えてしまう。

    • かつさん、コメントありがとうございます。

      いやはや今回はまったく走れませんでした。60㎞以降は2㎞走って1㎞歩くといった感じで・・・。
      ハセツネの場合は後半がナイトランなのでまったく気が抜けないんです。走ることに集中しているおかげで10時間がけっこうあっとゆうまだったり。対して柴又100Kは高低差がほとんどなく走りやすい河川敷。それが逆につらかった。。滑走路のように延々と続く直線道路、ペースの遅さもあいまって一向にゴールが近づいてこないという状況には心が10回ぐらい折れましたね(涙
      体感距離というのはけっこう適当なものだと感じました。

      かつさんは飛騨高山ウルトラですか、見るとなかなかハードですね。
      ぜひ100k目指してもらいたい。決して楽ではありませんが、ゴールした後はすべてが格別です!

  • いつも記事を楽しく読ませて頂いてます。

    同じ日、私も奥武蔵ウルトラマラソンという大会に初挑戦して大撃沈しました。

    おっしゃる通り、フルマラソンとは全くの別物。私も中年女性やご老人に何回抜かれたことか…。

    終わった直後はもう二度とやるかと思いましたが、今になるとあれはあれで楽しかったなあと感じはじめて、また来年どこかの大会に出るかも知れません。

    • すがしんさん、コメントありがとうございます。

      奥武蔵ウルトラマラソン走られたのですね、柴又とは高低差が段違いなのでさぞかし過酷なレースだったことでしょう。聞いた話では疲労した足には下りが相当こたえるとか・・・。実はオクムは昨年DNSしまして、今年こそ走ろうと思っていたのですが結局柴又へ。東京から日帰りで行けるウルトラマラソンは柴又かオクムなので、そのうち走ってみたいレースです。

      すがしんさんも抜かされ続けの撃沈レースだったようですが、、終わってみると楽しかったと思える。まったく同感です。サロマや四万十なんて出た日には病みつきになるかもしれませんw
      ご老人に軽くちぎられ、背中には「生涯現役!」と達筆の文字が。ウルトラマラソンは奥深い。。

  • おはようございます。
    まだハーフマラソンしか走ったことのない初心者です。
    フルマラソンもこれからなのに、ウルトラなんて想像もできない世界を走っていることに尊敬の念しかありません。
    いつかウルトラが走れたらと、羨ましく思います。

    • コメントありがとうございます。

      ハーフを終えてこれからフルということは、ちょうどケガという壁にぶつかる時期。私もその頃に走りすぎて膝を故障するというのを繰り返していました。そこで走るのを止めてしまうランナーも多いと聞くので、焦らず徐々に走力をつけていってくださいね。走り続けていればウルトラは必ず完走できます。

      私も走り始めてまだ4年のヒヨコ、共に楽しく続けていきましょう。
      次のフルマラソン頑張ってください!

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です