マラソンのスタートを上空からドローンで撮影しているなんていうのも珍しくなくなってきた今日この頃。空撮が身近な存在になったのもつかの間、ドローン関連の事件が重なり世間の風向きはすっかり変わってしまった。
そんなドローンを山岳救助に使う取り組みがすご過ぎたのでご紹介します。
jRO(日本山岳救助機構)の取り組み
ドローン搭載カメラにより行方不明の登山者や遭難現場を、いち早く安全に発見!!捜索費用や人員の節約にも効果的。
近年急速に普及してきたドローン(マルチコプター)を活用して、行方不明になった山岳遭難者を空中からのドローン搭載カメラでいち早く発見し、救出につな げようとする技術の開 発です。さらには転落・滑落して負傷した登山者の発見、あるいは冬山での雪崩遭難の現場捜索にも活用できる新しい捜索方法です。出展:jRO
jROが行った捜索方法は、ドローン(DJIのPhantm2)とヤマモリ(捜索機器)を使って行われました。ヤマモリというのは親機と子機がセットになっていて、子機の発信する電波を親機が探知して、液晶画面に方向と距離を表示するというもの。親機と子機の電波到達範囲は100m~最大5kmというから驚き!
ヤマモリの親機をドローンに固定して、液晶画面をカメラで撮影。その映像をリアルタイムでドローン操縦者に送信するという方法を聞いたときは思わず唸ってしまった。
毎年ハセツネが行われる武蔵五日市の山や、甲斐駒ケ岳にドローンを持ち込んで試験。
1本のバッテリーで飛行できる時間は実質15分程度なので、長時間の捜索には大量のバッテリーが必要だったり、寒冷地では低電圧のために降下してしまったりと課題はあるようですが、遭難者が雪に埋もれた場合でもドローンによる捜索が有効であると確認できたそうです。
このバッテリー問題は時間が解決してくれると思いますが、本体の軽さはネックかもしれません。尾根など強風が吹くのでそれをどう回避するか。操縦者の技量が求められます。
スカイロボット社の取り組み
ドローンの開発・販売を手掛けるスカイロボット社の取り組みはさらにすごかった。
あらかじめ登山者には重さ数グラムの特別な発信器(最大約1キロの範囲で受信が可能 )を持ってもらう。
遭難が判明した場合、人工知能を搭載した自動操縦の3機のドローンが別々に付近を飛ぶ。1機が電波を受信すると、ほかの2機が周辺に駆けつける。発信器からの電波の強弱を複数のドローンが捉えることで、正確な位置の特定につなげる。
また、ドローンには赤外線サーモグラフィーカメラも搭載している。夜間でも現場の映像を見ることも可能で、遭難者の体温から健康状態を確かめることもできるという。出展:毎日新聞
3機で遭難者の位置を正確に特定というのもさることながら、サーモグラフィーを搭載とは。。高確率で発見してくれそうです。生きていれば。
海外の取り組み
人間がアルプスの山道を歩き回って撮影した2万枚の写真をコンピュータに機械学習させることで、まったく知らない山道でも85%の確率で正しい方向へ進むんだとか。山道を飛んで遭難者を発見するんですが、コレ、人が操縦するのでなく自動飛行です。
こんなのを30台くらい一気に解き放てば最強でしょう。
殺戮マシーンとして開発された軍事兵器が人命救助に使われるというのは皮肉な気もしますが、テクノロジーはこうして役立てるべき。山岳救助の現場でドローンが使われる日もそう遠くないのかもしれません。
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