前回の続き
想定外の飛来物に危うく終わりかけたけど、気を取り直して再開!
毛無峠~草津峠
毛無峠から彼方に見える御飯岳目指します。行く先の山々が見渡せるところが稜線トレイルの魅力(元気なときはそう思える)。アップダウンはあるけど笹払いされた道はすこぶる歩きやすく、1時間ほど軽快に進めば御飯岳。
御飯岳でどん詰まる
ここまでのペースはCT比0.7で快調そのもの。あとは下ればエイドステーション(万座温泉)なので、コーラでも調達して小休止しようと思ってたんです。ところが、この御飯岳の山頂はどこをどう見渡しても先へ進む道が見当たらない。笹払されていないだけではとあちこち探したんですが道は皆無で・・・。はて??
位置を確認すると、事前に登録しておいたルートは先へ続いてるけど「山と高原地図」ではここで道が終わってる。コレ、冬場に通った軌跡があるのをてっきり道があると勘違いしたやつでした。。ぐんま県境トレイルの公式マップでも毛無峠~万座温泉間は国道を通るのが正解で、自分の浅はかさを呪う。
見ると目的の国道までは突っ切れば1kmぐらい。来た道を1時間戻って復帰するより、バリエーションルートと割り切って突き進んだ方が早いのではなんて道間違いしたハイカーあるあるの心理状態。なにより御飯岳で行き止まりなんて考えてもみなかったので、ルートに復帰して次の水場まで3時間近くをこの水量で行くのは相当ハード。
ただね、目の前に延々と広がる終わりの見えない笹薮と、ぎっちりつまった等高線を見たら突っ切る気が消え失せ・・・。チキンは来た道を戻ってリカバリすることにしました。(後にこの選択は間違いでなかったと痛感する)
滝汗かいて消耗しないようにペースダウン。相変わらず空を舞っているラジコン飛行機を視界に捉えつつ無事コース復帰。3時間近いロスにややテンション下がり気味で国道を歩いていると、なんと山肌を滴り落ちるサプライズ!
マップには書かれていないけど潤沢な水量でした。(2020年8月)
さっきの御飯岳で、もしそのまま突っ切っていたら出てきたであろう場所に到着。チキンバンザイw
しばらく快適なロード区間を進むと万座温泉。ここで食事でもと思っていたけど、予定よりだいぶ遅れているのでコーラで喉を潤すだけにして足早に通過。
山田峠でクマさんと出会った
19時、あたりはだんだん薄暗くなってくる。万座温泉から渋峠までは見通しのいい国道で人はもちろん車もほとんど走っていません。
1人坦々と進んでいると、ふと視界の左側でうごめくものが・・・。笹で覆われた地平線に目を凝らすと黒くて丸い物体が動いていて、どうやらそれはこっちへ近づいてきている?
距離:100m
距離:70m
距離:50m
3つの黒い物体が真っ直ぐこっちに向かってきてて、母グマを先頭にすぐ後ろから「ママ待ってー」と言わんばかりに必死にあと追う2匹の子熊。
自分めがけてまっしぐらに向かってくるこの現実を理解するのにゼロコンマ何秒かかかり、我に返って慌てて猛ダッシュ!
まさかガードレール越えて道路まで出て来ないよなと必死に足を動かしながら振り返ると、なんとガードレール外側を並走してこっちへ向かってる!!完全にパニックで声だか悲鳴だかわからない奇声を発しながら無我夢中でひたすら走り続ける!!(ザック背負ってたけどたぶん楽勝でキロ4切り)
再度振り返ると、3匹のクマは消え去っていた。
山中ならともかく、まさか国道を歩いてて襲撃されるとは。母グマの大きさは1mぐらい。牙を向いて威嚇はしてこなかったけど、一心不乱にこっちへ向かってくるあの顔は忘れられない・・・。
現場は山田峠でこの道標から1kmぐらい手前です。もちろん熊鈴はぶら下げてましたが、いつものように出会う時は出会う。この万座温泉エリアはクマ目撃情報多数。ファミリーがハイキングしてたらツキノワグマに追いかけられたなんて情報もあって要警戒ゾーン。特に朝夕はクマの活動が活発になるのでその時間帯に通過する人はご注意を。
しばらくこの道を進まなければならず、万が一に備えてポール先端のキャップを外しておきました。
なお、県のサイトにクマと出会った時の対処法が掲載されていたのでご紹介。
走って逃げたり、大声を出したりすると、クマがパニックになって攻撃してくる危険があります!絶対にやめましょう。
子グマの場合も、近くに母グマが潜んでいます。可愛いからといって、近づいたり、写真撮影するのはやめましょう。
・距離が離れている場合(こちらに気付いていない場合)
ゆっくりと静かに立ち去りましょう
・距離が近い場合(こちらに気付いた場合)
クマから目を離さずにゆっくりと静かに後退しましょう。
その際には、万が一の突進に備えて、クマとの間に障害物(立木など)がくるようにしましょう。
・クマが向かってきた場合
クマ撃退スプレーを持参した場合は、目や鼻をめがけて噴射しましょう。
もうダメだ!と思ったら、防御姿勢(お腹を地面に向けてうずくまり、頭や首を両腕で守る)をとりましょう。
草津峠でビバーク
ここが国道でもっとも高い場所。国内最高地点にしては意外と低いなという印象。
ちなみに、県道でもっとも高い場所は富士山山頂(3,776m)。山梨県、静岡県4本の県道の起点になっているそうで、登山道なんだけど維持管理しているのは県道職員という豆知識。
気温14度だけど風がふいてて体感的にはもっと涼しく感じる。
20時を過ぎる頃には濃い霧に包まれ、スキー場を下っていたんですがとにかく視界が悪い。ついさっきの光景が目の裏に焼き付いて離れず、真っ暗な山道を進む気力が萎えてしまい今晩は草津峠でビバーク。次から次へと、初日から退屈しない一日だった。。
Day1(鳥居峠~草津峠):45km
熊撃退スプレーにスズメバチ撃退スプレー
色々持っておかないとですね。
かさばる—