ぐんま県境稜線トレイル 全山縦走記 その1<鳥居峠~毛無峠>

全線開通したと聞いてずっと気になっていた「ぐんま県境稜線トレイル」。100km超の日本最長ロングトレイルなんて素敵な響きにウズウズしてて、山の日を含めた3連休で全山縦走に挑戦してきました。元々この日は分水嶺トレイルに出るつもりだったんですが中止になり、今年はセルフで限界に挑もうと選んだのがこのルート。毎度のことながら想定外のハプニングやミスだらけの珍道中を楽しんできたのでレポ。
※ルート上の水場や避難小屋、クマ目撃情報(2020年8月時点)を掲載したので、これから行こうと思われている方は参考にしてみてください。


ぐんま県境稜線トレイルとは

2018年8月11日、みなかみ町の土合から嬬恋村の鳥居峠まで、県境の名山を結ぶ登山道を1本の道として結びつけることにより、国内最長となる「稜線100kmのロングトレイル」が完成。

引用:公式サイト


群馬県がPRに力を入れていて、鏑木さんや田中陽希さんがコメントしていたりと開通当初はそこそこニュースになっていました(アルプスのような観光地化を目指している?)。山行にあたりエリア情報をあちこち調べてみたんですが、谷川や野反湖以外は情報少なめ。とくに万座温泉~野反湖区間はヤマレコにもほとんど情報が無くて、わかっているのは真夏に行くと鬼の藪こぎが待っているということぐらい。それでこそ挑戦しがいがあるというもの。藪こぎ上等、万全の装備を整えていざ!

前日に現地入り

スタートの鳥居峠は最寄りの大前駅から15km弱。今回は3日間の予定だったので、朝一から鳥居峠をスタートするために前日金曜夜に現地入りしました。

東京を夕方に出ると大前駅には20時着。山深い無人駅には人がほとんどいない。

ここから宿まで10kmほど小走りしようと準備してたら、ふと目に目に止まった1人の学生。聞くと現在就活中の大学生で、就職試験受けた足でそのまま明日開催されるスカイランニングレースに出走するそうな。山岳部というから話がはずみ、方向が同じだったのでお互いのレースや山話に盛り上がりながら田舎道を行く。

学生と別れ1人真っ暗な田舎道を宿目指す。

前泊でお世話になった「鹿の湯 つちや」は素泊まりで5,400円ほど。※2020年8月

鳥居峠~毛無峠


翌朝は晴れで、宿から鳥居峠まで5kmをウォーミングアップ。荷物は可能な限り削ったけど、3日間分の食料と水2.5Lはそれなりにズシリとくる。鳥居峠には7時着。

「天空の分水嶺」なんて上手いネーミング。その名のとおりひたすら県境を進むので、万が一滑落するなら群馬側にしておいた方が家族に迷惑ではないかなとくだらないことを考えたり。

しばし林道を進みます。登山道入り口に駐車場があるので大前駅からタクシーで来ることもできるけど、電車だとなかなかアクセスしづらいスタート地点。

四阿山(あずまやさん)


山頂につく頃には雲の中。今回の山行でいきなりの最高地点となるのがこの四阿山(2,354m)。鳥居峠からは6kmで1,000mほど上げているのでそれなりに急登なんだけど、まだまだ体力が有り余ってるのでなんとも感じない。振り返ると笑っていられるうちにここを通過していてよかった。。

ほぼノンストップで浦倉山を目指していたら、いきなり現れたスキー場のゴール地点。昨晩出会った大学生が出ると言ってたスカイランニングレースはこれのことか。スタッフに上田瑠偉選手のことを尋ねたら、とっくに通過しちゃったって。

ここで計測スタッフから声をかけられ、昨晩ザック背負って国道歩いてる(変な)人を見かけたけどあなたですかって。ハイ、その変な人はわたしです。目的地を尋ねられ、谷川までと答えたら苦笑いされて変な人に拍車をかける・・・。

土鍋山

ここまではピクニックコースでしたが、浦倉山を過ぎたあたりから道が荒れてくる。腹まで笹に埋もれるぐらい険しくなってきて、トレランだと駆け抜けちゃうけどここはレインパンツを履いてしっかり防備。まだまだ先は長いので笹かぶれは防がねば。

今回のルートは全般で笹薮を進む場面があるんですが、この山域の笹薮はトンボが大量に飛んでます。トンボは益虫(ゴキブリ・ダニ・ハエ等を捕食)と言われるだけあって、トンボだらけの笹薮だと他の虫をあまり見かけません。しかもこちらに危害を加えてこないんだから最高すぎるパートナー。オニヤンマにいたってはスズメバチを捕食することもあるというからもうトンボ様様。

土鍋山を過ぎると笹が刈られていて進みやすくなってくる。しばらく行くと視界が開けて毛無峠が見えてきた。一望できる場所には車が止まっていて空にラジコン飛行機。この時はすぐあとに起こる展開をまったく予想できず。

毛無峠の飛来物

軽快に駆け下りてまもなく国道に出るというその時、突然自分の右前方20mくらい先の岩に飛来物が激突!何が起こったのかわからず呆然としましたが、見ると落下したラジコン飛行機がひしゃげてジジジッと通電する音がしてる。マジか・・・。

幸いどこもケガはしていないけどコレは危なかった。振り返るとついさっき山頂で声をかけた老夫婦が尾根を下っていて、一歩間違えば他の誰かが犠牲になっていた可能性も。山で空から飛来物があるなんてハイカーは予想もしてないし、そんなことあっていいはずがない。自分でもドローンを飛ばすからわかるけど、おもちゃで遊ぶときは大人も子供もマナーは絶対に守るべき。沸々と湧き上がるものがあり、終始平謝りしてきた自分よりだいぶ年長の操縦者には強めに注意。

山でラジコン飛行機を見かけた場合、それが自分めがけて落ちてくることもあると思って行動することをすすめます。とくに小さい子供がいる場合は絶対に離れないように。もし見学する場合は操縦者のそばが最も安全です。

この後、まさかのアイツと出くわします。

ぐんま県境稜線トレイル 全山縦走記 その2<毛無峠~草津峠>

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1 個のコメント

  • ワクワク。
    毎度面白い記事ですね。
    続きが楽しみです。

    群馬県境トレイルはロマンですね。
    でも
    薮かぶれは本当にイヤ。

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