第71回 富士登山競走レースレポ<後編>

前回の続き


馬返し~五合目

一旦攣りが収まると何事もなかったように普通に動かせる左足。まだ油断ならないので階段を上る時はなるべく右側から踏み出して左ふくらはぎに負荷を与えないようにそーっと。

そんなことをしていた矢先、右足で踏ん張った瞬間ビッキーん!!
今度は右足ふくらはぎが暴走して制御不能・・・もう勘弁しておくれ。。

再びコースの端に寄って皆さんをお見送り。抜き去るランナーの数が明らかに増えてきてボリュームゾーンに入ってしまった感じ。この先も右、左と攣りを繰り返していたらどうやっても間に合わない。しばし途方にくれること数分。攣りは収まって曲げ伸ばしできるようになったので三度レース復帰。

このところ走れていないとはいえ、まさかここまで自分の筋力が低下しているとは思いませんでした。
スタートからたったの1時間半よ?累積なんて1,000mにも満たないのに。
でも、こうなると受け入れるしかない。これが紛れもない今の実力。頭では薄々わかっていながら、こうならないと納得できない不器用な性分。

割り切ると前のランナーに着いていくのは諦めて、足が攣らない程度まで一気にペースダウン。競争ではなく山頂に立つことを目標に。

いつの間にか雲の上に出て青空が広がる。ボリュームゾーン内でも抜かされ続けますがマイペースマイペース。

今年から佐藤小屋前を通らないルートに変更されて関門通過はスムーズになったのかな?

五合目:2時間9分07秒
山頂コース完走の目安は五合目通過タイムが2時間一桁台と言われていて、いよいよお尻に火がついた!この先で攣ったらたぶん終了。

五合目~山頂


関門通過してからのシングルトラックは渋滞でノロノロ。焦らない焦らないと言い聞かせつつも時間が気になる。

強烈な日差しですがカラッと乾燥していて暑さは感じません。発汗は収まっていましたが、こういう時こそ給水が大事なのは補給食講座で勉強済み。炎熱サプリで浸透圧を上げてしっかり水分とジェルを補給。水分、塩分、エネルギーに一切の不安無し!筋力不足は、、為す術無し!

何度来てもこの絶景がたまらない。一通り追い抜かれたからか、はたまた周囲がペースダウンしたからなのかわかりませんが、この辺になると取り残されることは無くなります。ただ、この周囲のペースだと完走できるかどうかギリギリな気がする。攣りのリスクはあるけど、もう少しだけペースアップして余裕が欲しいなと思っていました。そこにちょうど後ろから抜かしていく選手がいたので思い切って飛び乗ります。

乗せていただいた方が大正解!早すぎず遅すぎないペースで着実に抜かして行く感じが自分の足にちょうどいい。何本かルートがある岩場でも空いてるところをピンポイントにチョイス。けっこう年配の方でしたが、おそらく自分とは桁違いにここを知り尽くした大ベテラン。

岩場では時折渋滞が発生していて、足が攣って岩に張り付いたまま身動きとれなくなったランナーがいたり。ついさっきまでの自分を見ているようで、その苦しそうな横顔は他人事とは思えない。3,000mを越えると雲が広がり始め、下から吹き付けるような強風。追い込んで上っていれば寒くはないんですが、今日は暴走ふくらはぎをあやしながらなので凍える寒さ。アームウォーマーを装着して雲に隠れた山頂を今か今かと待ちわびる。

ここまで引いてもらっていた大ベテランの足が突然止まる。気になり声をかけると足が攣って進めないと。
「数分休めば必ず動きます、頑張りましょう!」
勝手に飛び乗ってついてきただけですが、おかげで完走は見えてきた。礼を言って先を急ぎます。

昨年のゴールタイム3時間55分を表示しますが、もちろん山頂はまだ先。
目標だった4時間10分経過、まだ見えない。
4時間20分経過、ようやく鳥居が見えた!

FINISH:4時間24分05秒

いやー今年の富士は長かった!そして間に合ってホントよかった。
その後は制限時間いっぱいまでゴールで声援を送り、震えながら山頂を後にします。

反省会

昨年と今年で関門通過タイムを比較してみると、馬返しまではほとんど同等ペースで走れているんです。が、月間300km走ってた昨年と、60kmしか走ってない今年で同じペースで走れるはずがなくて、この序盤が敗因だと反省。

昨年 今年
馬返し 01:02:09 01:03:14
五合目通過 01:57:56 02:09:07
八合目通過 03:27:55 03:49:49
Finish 03:55:31 04:24:05

頭じゃわかってても体が、ね。
昨年よりも30分遅い結果ですが、ベストは尽くしたんじゃないかとポジティブに思うことにします。山頂完走の目安はフルでサブ3.5なんて言われてますが、、割り切ろう。。

今年のレースは完走率が43.3%(昨年は50.5%)と過去4年間で最も低かったようです。その理由として、今年は猛暑で砂礫が乾燥し踏ん張り難い事が要因ではないかと。言われてみればよく足を取られたような気もしますが、記録を狙えないならとケチって履き古したライトレーサー履いていたのでもはやよくわからない(笑

下山時の砂埃がそれはそれは強烈だったので、グリップが効かないというのは納得。

それと今回走っていて感じたのが、昨年よりも全体のペースが上がっているということ。昨年から関門時間が短くなったことで、ランナー全体のレベルが底上げされてます。馬返しまでのタイムは昨年と大差ないのに密度は明らかに多かったですから。加えて、今年は気温も低く走りやすかったことからオーバーペースになったランナー(自分もw)があちこちで潰れたのではないかといういぶてつさんのコメントには同感。

五合目に戻ると自衛隊員の皆さんがお出迎え。口と鼻をBUFFで覆ってマスク代わりにしていましたが、喉はイガイガ、鼻の中は砂だらけ。来年山頂を走る方は下山する時用にマスクを持っていくことをおすすめします。

今回は余裕でサブ4だろうというような人が完走できなかったり、完走はしたけど思う結果に結びつかなかったという人がけっこういて、改めてこのレースの奥深さを感じます。私も完走こそしましたが、昨年のグランドスラムを達成した時のような満足感とは真逆の悔しさでいっぱい。

この思いを胸に、来年は絶対リベンジ!

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8 件のコメント

  • 脚が攣ったのに完走(;゚д゚)
    流石です!!!

    炎熱サプリで浸透圧を上げて水分を補給?
    どういうことですか?
    知りたいでーす!

    富士登山競走はやっぱり難しいですよね!
    ロード速くても坂が苦手な人も沢山居るみたいですし。
    グランドスラムは凄いです。
    スピード、スタミナ、登り坂、と苦手な物が1つあると達成出来ませんからね。
    グランドスラムを目指し、それぞれを意識して練習して走りを洗練させたいです!

    5合目コースだった僕からすると
    自衛隊の給水所は
    『ゴール後にこんなに水を用意して需要あるの?』
    と不思議に思っていたんですが
    山頂コースの下山者をターゲットにしていたんですね!!
    なるほどー!!!

    • キーチさん

      レース中にここまで足が攣ったのは初めてで参りました。一度クリアしたレースだけに完走だけは逃すまいと意地^^;

      浸透圧についてはこちらを見てもらう方がわかりやすいので参考にしてみてください。水分補給時に電解質(塩分&糖分)を一緒に摂ることで水分の吸収を促進するのが目的です。ポカリスウェットを飲むという方法もありますが、つい飲み過ぎてタプタプになるので最近はもっぱら水+塩熱サプリ。

      余談ですが、この日の早朝に富士吉田市のコンビニに入ったら数人の隊員が朝食を調達してまして。こんな早くから演習とは大変だなんて思いながら眺めてたんですが、まさかそこにいた隊員から水を注いでもらうことになるとは。災害時でもないのになんだか恐縮してしまう・・・。

      キーチさんも山頂コース権獲得おめでとうございます!
      坂の得手不得手はおっしゃるとおりで、フル3時間15分、富士登山競走3時間40分という人もいます。低酸素という過酷な環境も含めて富士登山競走は攻略しがいがあるレース。来年ぜひ競争しましょう!

  • 完走、本当にお疲れ様でした。
    私も今回五合目コースに奇跡的に当選し、恐いもの見たさで、レースに参加させて頂きました。
    マラソンではギリギリサブ4でも、2時間16分で完走できたのは、kooheyさんのブログで詳細な攻略法を教授していただいたおかげだと思います。
    そして五合目コースを走り終えて感じたのは、全力を出し切って五合目まで来ても、その後を山頂まで走りきるには、実力が全然足りないということでした。(ふくらはぎの締まり具合も)
    私も馬返からのふくらはぎの攣りに悩まされて、何度も悶絶していていました。
    そんな中を山頂まで、、、
    kooheyさんをはじめとする山頂コースのエリートランナーの方々に、畏敬の念しかありません。
    これからもブログを参考に修行して、来年も頑張りたいと思います。

    • ジム改さん

      5合目コースおつかれさまでした、そしておめでとうございます!
      チャレンジ富士五湖に続き、富士山に首ったけのご様子。わかりますよその気持ち^^
      自分が5合目走った時はどうだったかなと過去記事を読み返してみたらジム改さんと同じこと言ってたのでご安心を(笑

      5合目から先で求められるのは登坂力で、フルのタイムはあくまでも目安です。何度か試走して臨めばきっと山頂に立てますので応援しています!
      まずはお互い第0関門突破から。実はここが最難関。

  • 五合目から八号目までの追い上げが素晴らしいです。足攣りの爆弾を抱えてなければ、後半もっとペースアップ出来ていた事でしょう。最終的に結果を出せる、きちんと帳尻を合わせられる、よい意味での上手さを感じました。流石はkooheyさんです。

    私の場合足攣りは無縁でしたが、後半の山登りが鬼門のようです。今回は運良く滑り込みましたが、来年はSub4に迫る位を目標に、トレランにも少し力を注いで見ようかと思っています。今後トレラン公開企画などに参加できれば大変ありがたいです。

    • いぶてつさん

      6合目手前で飛び出したのは正解でしたが、まあ結果論なので攣ることなくゴールできたことに胸をなでおろしています。
      今回の結果が紛れもない実力と割り切りつつ、来年は再起しますのでお互いサブ4当然!さらなる高みを目指しましょう!
      いぶてつさんもトレランを始めたら目に見えて上りが強くなりますのでご期待ください^^

  • 完走おめでとうございます♪
    足が攣っても完走は凄いですね。
    5合目までは私の方が少しだけ早いですが、
    すぐに抜かれたんでしょうね(苦笑)
    私もパワーミルで登りを鍛えたんですが、
    力尽きました。。。
    来年は私も山頂に立ちます!

    • チョパさん

      ありがとうございます。FB見ましたが、あれだけ山に入られてる(しかもミル!)チョパさんがこの結果は意外でした・・・。体調、低酸素など要因は色々考えられますが写真ではいい顔しています^^;
      私も滑り込みはしましたが不完全燃焼で闘志を燃やしています。お互いこれをバネに来年はベストな走りをしましょう!来年山頂でお会いできますことを。

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