発売から17年間不変のシューズ!
ターサージャパン(asics TARTHER JAPAN)レビュー

ターサーを履くようになってから、常に気になっていたのがジャパンモデルの存在。国内生産で長年変わることのないアシックスの普遍的な存在。その存在は知りつつも、常に最新技術でアップデートし続けるジールに魅かれてジャパンモデルには目をつぶってました。でも、大会で目にするJapanの刺繍が気になる気になる。

決してターサージールに不満があるわけではないんです。ただ、ひょっとしたら自分にとってはジャパンが最高の一足かもしれない・・・。ということでターサージャパンを履いてみたのでレビュー。


ターサージャパンの特徴

グリップ性を追求したTARTHER JAPAN
・さまざまな方向へグリップ力を発揮することができるターサージールと同じ形状のデュオソールを採用。
・かかと部には重心移動がよりしやすい形状のGELを内蔵、また安定性に優れた構造を採用。
・かかと部のデザインを改良し、フィット性がさらに向上。

特徴1:幅広めのゆったりした足入れ感


足を入れるとすぐにわかるこのゆったり感。ターサージールやソーティは薄い生地が足裏からアッパーにかけてピッタリ吸いつく感じですが、ジャパンは幅が広いのでフィット感はそこまで高くありません。特に指周りは広くてつま先に重心をかけると指が広がるくらい。

特徴2:ミッドソールに反発性と弾力性にすぐれたSpEVA(スピーバ)を使用


来ました伝家の宝刀SpEVA(スピーバ)。反発性と弾力にすぐれた素材は蹴った力をそのまま推進力に換えてくれます。最近FlyteFoam(フライトフォーム)に置きかわりつつあり、ジャパンとジールの大きな違いはこのソールとも言われています。

特徴3:かかと部分にGELを搭載


レーシングモデルなのにGELを搭載してまして、これが後述する重量にも影響していると思われ。衝撃を和らげてくれるのでGELも役立つパーツなんですが、レース用シューズと考えた場合どうなんだろう。

特徴4:登場以来モデルチェンジがほとんど行われていない


2000年に登場したターサージャパン。以来モデルチェンジをほとんど行わず、とくにデザインもラスト(靴型)もそのまま。毎年少しずつアップデートされるジールとはこの辺が異なります。思えば、気に入ったシューズを毎年使っていこうと思ってもそれは叶わないわけで、登場以来17年間ほとんど変わっていないというのはスゴイ。

Japanは国内生産の証です。

今年からアウターソールが変更になりました。デュオソールがターサージールと同じテトラポット形状となりグリップ力が向上。

スペック

アッパー素材 本体=合成繊維製(ラッセル構造) 補強=人工皮革製
アウター素材 合成底(ウレタン)+ゴム底
インナーソール 取り替え式
生産国 日本
重量 201g ※サイズ26.0cm
厚さ 前足部:1.2cm 後足部:2.9cm ヒールカウンター:6.7cm

重さ


201g ※サイズ26.0cm

レーシングモデルといいつつ200gオーバーはけっこう重い。
かかとのGELもそうですが、中足部の樹脂パーツなんてけっこうずんぐりしててジールとは違うなと感じていました。練習用シューズ(ライトレーサー等)とほぼ同じ重さですが果たして。

厚さ

前足部:1.2cm

後足部:2.9cm

ヒールカウンター:6.7cm

走行レポート

足を入れた瞬間にわかる幅広感。ラスト(靴型)がそのように作られているので靴紐を締めたところでそこまでは変わりません。ターサージールなどレーシングモデルはどれもピッタリフィットしますが、窮屈だと感じている人にはこのゆるさが合うでしょう。
それと走っていなくてもかかと部分にGELパーツの存在を感じます。特に気にはなりませんが、これがあるせいか若干かかとが高いような。

走ってみると、着地感はかなりマイルド。ターサーに限らずレーシングモデルはほとんどが地面から突き上げを感じるものですが、ターサージャパンはかかとのGEL効果でクッション性がある。GELといってもターサージャパンの場合は一部分に使われているだけなので、着地時にグラつくようなことは皆無です。
グリップ力も申し分なく、蹴った分だけしっかり推進力に変えてくれる。SpEVAの反発力はそれなりに感じますが、どちらかというと自然な足運びができるシューズだと感じました。ターサージールとはこの辺の味付けがけっこう違ってまして、バンバン蹴って反発力でグイグイ走るというスタイルではない感じ。

そしてやっぱり気になったのがシューズの重量。km/4’00ぐらいならともかく、そこから回転数を上げようと意識するとシューズの重さは無視できず。ターサージールのようにピッタリフィットした軽いシューズと比較すると、ターサージャパンはもっさりした印象を受けてしまう。それは重さだけでなく、ややゆるめのラスト(靴型)というのが蹴り出しや着地時に若干の遊びをうんでしまう。そういったことも影響しているように感じます。

km/4’00で1㎞走った時のグラフ。

ピッチ:174spm 歩幅:1.34m 接地時間:223ms ※すべて平均

ライトレーサーなどと比べてピッチが下がり歩幅が若干伸びているのは反発力のおかげでしょうか。これでもう少し軽ければピッチは上がりそうな気もしますが。

こんな人にオススメ

・ある程度幅のあるシューズを探している
・グリップ力も欲しいけど、クッション性も譲れない
・サブ3.5~サブ3を目指している

総評

今回履いてみてわかったのが、ターサージールとジャパンは別物だということ。軽さや反発力の面でターサージールの方が上回っていると感じますが、このクッション性と幅広な履き心地が好みという人にとっては最高の一足であることは間違いないわけで。クッション性の低いターサージールを履いて故障のリスクに怯えるくらいなら、あえてターサージャパンで回避するという手も。
個人的には、ベストが3時間半くらいでこれからサブ3目指すけど、ターサーはちょっと不安という人に最適な気がしました。またはインターバル走など足に負担のかかる練習をする時にはこのクッション性が重宝すると思います。デュオソールはけっこう摩耗するので、ポイント練習に限って使うなどがオススメです。

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2 件のコメント

  • 今日まで 何百種類ものランニング用シュ-ズを履いてきましたが タ-サ-ジャパンシリ-ズは
    履きごこち 走りやすさが最高です。レーシング仕様ですが ゆっくりジョギングやLSDにも
    対応します。厚底シュ-ズはシュ-ズに頼りがちになりますが タ-サ-ジャパンは自力で走ることに長けたシュ-ズなので かえって故障が少ないように思います。

    • ホクトさん

      何百種類とは・・・それだけ履いてターサージャパンに行き着いたなら納得ですね。ホクトさんがおっしゃる通りクッション性含めバランスがよく幅広い用途に対応するシューズだと思います。このところ大きな故障をしていませんが、転ばぬ先の杖としてターサージャパンで対策という手もあるんですね。参考にさせてもらいます!

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