前回までの記事
月夜見第二駐車場は補給ができることもあって賑わっています。
夜露で濡れたブルーシートに荷物をおろして本日初めての固形物(クリフバー)を入れます。腹は鳴りを潜めたまま。もはや気にしないことにします。今回わかったのは、トメダインはかなり使えるということ(笑
足の攣りも浅間峠手前から一度も来てません。補給がよかったのか、延々と続く上りがいい休足になったのか定かではありませんが、今のところ問題なさそうです。
空になったボトルにメダリストの粉末を入れようとしますが、手がかじかんで手間取ります。この季節だと指先を覆うタイプの手袋の方がよかったか。なんとか封を切って粉を投入し、ボトルとハイドレーションを手に補給スタッフのいるテントへ向かいます。
ハイドレーションの中を見ると水が半分近く残っていて、気温的にもここで満タンにする必要はないと判断。ボトルとハイドレーションに500mlづつの計1L水を入れてもらいます。
ハイドレーションをザックに戻していると、今度は寒さで体が震え出します。スタッフの中にはダウンジャケットを着ている人もいて、ここの気温は5度ぐらいしかないんじゃないかな。汗で濡れた体には危険すぎる。ウィンドウシェルを着てすぐに出発しました。
御前山
再び霧のトレイルに戻りレース再開。
月夜見から先は道幅の広い下り坂。霧でとにかく視界が悪く、闇に向かってひたすら続く下り坂。前をゆくランナーはまったく見えず、この道で合ってるのか不安になってきます。後方からこちらに降りて来ているランナーがいますが、もしかして間違えた方向に誘導しちゃってたらと心配になります。
地獄の底まで続くかのような坂を不安になりながら降り続けると、はるか彼方にチカチカ点滅する赤ランプが見えました。よかった、、ロストしたわけではなかったようで一安心。霧の中、赤ランプを頼りに進みます。
下った後には、お約束の上り坂。ここから御前山まで延々と上りが続きます。
途中、木のそばでうずくまる一人のランナーが。横を通り過ぎると、豪快にもどしていました・・・あれは辛い。。明日は我が身、、どうか最後まで内蔵やられませんように。
後半の難所御前山。ここでも霧は相変わらずで腰ライトのみの状態。いまいち位置が把握できず、とにかく前のランナーから離されないことだけを目標に上り続けます。しばらくすると、御前山山頂にいるスタッフの声が聞こえてきました。先が見えない方が無心で行けていいかもしれません。
御前山山頂は風が強く、ここも長いは無用。ジェルを入れて足早に通過します。
大ダワ
風のおかげか霧が晴れてきてヘッドライトを使えるようになりました。御前山から大ダワまでの下りでは前のランナーにどんどん追いつきます。上りだとついて行くのがやっとですが、下りだと追いつける。この後の金比羅尾根は楽しみです。
再び賑やかな声援が近づいてきて、大ダワ到着。
こんな夜にこれだけ応援している人がいるとは。沿道の人とハイタッチしながらテンション上げてノンストップで通過。
大ダワを出てすぐに前のランナーに追いつきます。見覚えのあるザックだと思ったら、なんとKさん!ここで再び追いつきました。ここから大岳山までの険しい上りは引っ張ってもらおうとすぐ後ろへつきますが、ここでうっかり腰ライトの電池交換をし忘れていたことを思い出します。大ダワでハイタッチしてたらテンション上がってしまい、そのまま素通り。なんてお調子者なんだ・・・。トレイルランナー2のバッテリー残量を見ると赤ランプが点灯していました。
再度Kさんの背中を見送り、脇道にそれて電池交換。霧でヘッドライトがろくに使えない状態なので、腰ライトにはMAXパワーで頑張ってもらわないと。ここで電池交換しておけば最後まで行ける計算です。
大岳山
ハセツネでどこが一番辛いかと聞かれたら、間違いなく大岳山は候補にあがります。ここだけは山登りというより岩登り。急坂なら膝に手をついて補助しながら登ることもできますが、大岳山の岩登りは手も使って体全体を持ち上げる必要があります。50㎞近く走ってきた身にはこれがこたえるのなんの。肩で息をしながら、相当なスローペースでよじ登ってました。後ろのランナーに追いつかれたらすぐに譲る気でいましたが、一向に追いついてこない。キツイのはみんな同じですね。
途中、ベンチで横になっているランナーがいました。腕組して仰向けになっていたのでおそらく寝ているのだと思いますが、何もくるまらずに寒くないんだろうか??
この上りさえ終われば、ハセツネの難所である奥多摩三山(三頭山、御前山、大岳山)はすべてクリア。きつい上りはこれで最後だと言い聞かせながら、どうにかこうにか大岳山山頂へ。しんどかった・・・
この先は日の出山で少し登りがあるのみで、ゴールまでひたすら下ります。第三関門のある御岳山まではハイキングコースなので、道も平で走りやすい。
再びギアを上げて下りを駆け下ります。すでに疲労のピークで歩いたり休んでいるランナーもちらほら。譲られるのでどんどんペースアップ。やっぱ下りは気持ちいいな。
第三関門の手前でKさんの背中が。
路面はフラットでしたが、疲労のせいかKさんの後ろ姿にも疲れが見えます。背後に近づくと右手を出して譲る合図。
横に並んで、
「一緒に行きましょう、Kさん!」
声をかけてしばし並走します。
御岳山
Kさんいわく、22時15分に第三関門を通過できればサブ12は間違いないだろうと。
これには驚きました。試走するまではサブ12が目標なんて息巻いてましたが、はじめてコースを試走したらベテラン二人との実力の差を思い知らされ。
身の程を知り目標を13時間に変更してのレース当日。それがまさか12時間を切れるかもしれないとは。いやはや、今日はすごぶる調子がいいようで。
調子に乗ってKさんの前に出ますが、第三関門手前のゆるい上り坂であっさり抜き去られました(笑 今後の課題は上りだな。。
第三関門の御岳山通過。
第三関門通過タイム:10:10:35
順位:324 / 2357
<続く>
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