前回の続き
第一関門への到着が予定より15分オーバーだったので、遅れを取り戻すべく元気よくエイドを出発!で、いきなり登場したのが緩やかで延々と先まで見通せる登り坂・・・見た途端早歩きに変更。この先にもう一回峠越えあるのでここは温存温存。
日蔭沢源頭までがとにかくきつかった。先ほどに匹敵する急こう配をヒザに手をついて登り続けます。次第に腕まで筋肉痛になるほど。直前に付け焼き刃的に頭に入れたトレイルを登るの時コツ。足ではなく骨盤を使って登るというのを実践してみると、「お!?」それまでと別の部位を使うせいか多少楽に感じます。しかし普段使わない筋肉を使うので長続きしませんでしたが。
キタタンのメインは先ほどの県境尾根分岐とこの後上る神平山ですが、この日蔭沢源頭の400mの急登も中ボスクラスでジワジワと足を痛めつけてくれます。せめてもの救いだったのが横から吹く風。おかげで全身汗だくの体をクールダウンできました。
途中平たん路になったので走りだしたところ、石につまづき転倒。顔面を石に打ちつけるすんでのところで両手をついたので大事には至りませんでした。
が、左手首のGarminがない!?正確にはベルトだけの状態。今使っているGarmin910XTは自転車に取り付けられるようにクイックリリースキットをつけているのですが、転倒した時に外れて転がっていってしまったらしく・・・。
こんな状態。。小さなキズはその時のもの。
慌てて斜面から下を見てみると、運よく枝の絡まりあっているところに引っかかっている910XTを発見!慎重に斜面をおりてなんとか無事に回収することができました。
腕に戻した瞬間、ブルブルブルと震えて応えます。単純に心拍数低下のサインなんですが、まるで「ただいま」と言っているような気がして思わず感情移入(笑
思えば雨の日も風の日も文句ひとつ言わず(当たり前)1万キロ近く共に走ってきた相棒なわけで、戻ってきてくれてホントよかった。
クイックリリースキットを使われている方は、山では仇となるかもしれないのでお気をつけて。
何度か足が攣りそうになるたびに、揉んだり叩いたりしながらどうにか登りきりました。その先に控える数名の救護ゼッケンをつけたボランティアの人たち。来る途中にも無線機を手にした救護の人を見かけたので、まったく頭が上がりません。フラフラで通過するのも情けないので、無い力を振り絞って笑顔で応えながら通過。見えなくなると歩くというていたらく。
標高1,000mでヒンヤリした風が気持ちいい。ここから第二関門までは9kmの下り坂。すでに足がパンパンでとても走れる気がしませんでしたが、いざ走りだしてみるとどんどんペースアップ。どうやら使う筋肉が違うようでさっきまでの疲労が嘘のように消え去ります。
ひたすら砂利道を下り続け、時々舗装路が表れてはまた砂利道になるの繰り返し。何年後かにはすべて舗装されるのでしょうか?ここの下りで前を行くランナーを次々とパス。15人は抜いたかな、登りでだいぶ追い抜かれたので差し引きゼロ。
快調に下りを飛ばしていると前方に給水所発見。この先の第二関門に給水所があると記憶していたのでここは勢いを殺すのが惜しくてスルーします。
そしてしばらく下った先に第二関門登場。。
嫌な予感がして、
「あの、、この先に給水所は??」
「さっきあったじゃない!入れてこなかったの!?」
「ォーイ・・・・」
第一関門の時は計測マットを過ぎてから給水所があったのに。いや、給水所の距離をちゃんと把握してない自分が悪い。猛省しながら給水所まで来た道を戻ります。レース中に逆走したのは初めてですよ、、先ほど抜かした人たちの不思議なものを見るような視線が痛い。。そんな目で見ないで。
気を取りなおしてエイドでは輪切りレモンを4切れほどいただき、この先に控える急登に備えてVESPAとジェル投入。ハイドレーションとフラスコを満たして準備万端!
本日2度目の第二関門通過。。
第二関門:4時間20分51秒
予定の4時間を20分遅れて通過。6時間は厳しいな。
ついに来たキタタン最後の難関。ここと姫次との標高差は800m。登り始めてすぐに両太ももの筋肉が悲鳴をあげてます。左股関節をかばい続けたせいで右膝に刺すような痛みが出始めました。こうなると上を見上げる元気は消え去り、前をゆくランナーの足元を見ながら同じ場所に足を置くという作業に徹していました。あまり近づくと道を譲られてしまうので、適度な距離を保ちながら。道の端には座って休む人の姿。どの顔も遠くを見て心ここにあらずといった感じ。ここでも程よく冷えた風が気持ちよく、暑さをしのいでくれたのはありがたい。
頂上(標高1,500m)が近づくにつれて辺りがモヤに包まれ始めます。気温がぐっと下がって時たま雨粒が頬に当たります。このゆっくりしたペースで風雨はとっても危険な予感。足を止めて休みたい気持ちを振り切って進み続けます。
1日で熱中症と低体温症の両方を心配するとは、、山は何が起こるかまったくわかりません。
靄のなか、自分がいまどの辺にいてこの登りはいつまで続くのかというのが全くわかりません。足元を見ながら登り続けていたので、この土嚢袋?をここまで持ってくるのはさぞかし大変だったろうなあ、どうやって持ってきたんだろう??なんてどうでもいいことをとりとめもなく考えていました。疲労で完全に脳が朦朧としてる。
平坦路になり、ようやく尾根かと思ったらすぐ登りでがっかりさせられたり。まったくキタタンは期待以上です。
こんな鎖場をクリアしながら、どうにか尾根にでました。
視界も晴れて、ここから先はゴールまで一気に下るのみ。足の残ってるランナーは先に行き、力尽きたランナーははるか後方。前にも後ろにも誰もいないスポットにいるらしく、大会中とは思えないような静寂の尾根道を駆け抜けます。
「ゴールまであと5㎞だよ」とスタッフの声を聞いて俄然力が湧いてきました。
下りと思って侮るべからず。ここから1000mほど標高を下げるのですが、下るにつれて気温がどんどん上昇。駆け下りながら体全体が再び熱を帯びてゆくのがわかります。一気に汗がふき出し、フラスコの水を頭から浴びながらひたすらゴール目指します。必死に駆け下りていると上の方でうめき声・・・見ると何度か抜きつ抜かれつしていたランナーが足をくじいてうずくまってます。40㎞近く走ってこれても、たったワンミスで終わってしまうのがトレイルレース。彼は無事ゴールできたかな・・・。
気づけばスタート直後に上ったトレイルを下っていました。
ロードに出るとゴールはもうすぐ。
タイム:6時間44分21秒
目標だった6時間には到底及ばない結果。キタタンのタイムはフルマラソンの倍が目安なんて言われているので、ひょっとして走力落ちてる?
足の攣りで何度か立ち止まる場面はありましたが、基本的には動き続けていたように思います。その結果がこのタイムということは登る力or下る力が圧倒的に不足してるということ。順位は893人中158位で上位17%。ハセツネが11%だったことを思うと今回は頑張りが足りてません。秋までにもっと登りを鍛えなければ。
ゴール後のうどんが美味かった。キタタンは地元スタッフの温かさを感じるとてもいい大会でした。
今回白ゼッケンでスタートしましたが、白ゼッケンをつける条件は前回完走者またはフルマラソン3時間以内。実際に走ってみると、山岳耐久レースといいつつロード区間がけっこう長いのでサブ3という条件も納得です。中にはターサーで走っている人も見かけたので、このコースはタイムアタックに最適なんだと思います。しっかり走りこんで臨めば6時間は絶対切れるはず。
キタタンは来年も走ると思います。
標高差はそこまでではありませんが、小刻みなアップダウンで標高を稼ぐのではなく一気に登って一気に下るという攻めがいのあるコース。登っている時はとにかく辛くて苦しいのですが、どういうわけか病みつきになる。自分はつくづくドMなんだと実感しました(笑
ゴール後に足洗い場で横の人がこんなことを言っていました。
「キタタンやらないと夏が始まらない」
うん、すごくいい言葉。またここに帰ってこよう。
-後日談-
レースを終えた翌朝、両足が激しい筋肉痛で階段を降りるのも辛かったほど。最近はフルマラソンでもここまでダメージは残らず、久しぶりに味わうこの感じは何年ぶりだろう。先日の柴又100Kでも翌日はなんともなかったことを思うと、恐るべしキタタン。
ちょうどお昼に読んでいました。
今年は気温が高かったですからね記録は厳しかったのではないでしょうか
僕が出た2回は27度くらいと涼しかったのでラッキーでした。
お疲れさまでした!
ハンサムネコさん
初めてのキタタンだったのでネコさんの記事がとても役立ちました、ありがとうございます。グイグイと登って行く様は残念ながら真似できず。。姫次でパワフルに登っていく選手を見送りながら、ネコさんはあんな感じかと思って眺めてましたよ。
6時間切り目指して再挑戦します!
トレイルのコースって鎖場みたいなとこもあるんですね
お疲れ様です。
楽しそうなので今週
初トレランしてみます(笑)
あっ
ちなみに僕も大阪マラソンメインレースです。
かつさん
キタタンなかなか過酷でしたが楽しいレースでした。
鎖場では足が攣ったら終わると思い、いつもの10倍慎重になりました(笑
トレイルぜひ走ってみてください。
日中でも山に入ると涼しかったりするのでおススメです。
かつさんも大阪走られるのですね!?
お互いベストを尽くしましょう!!