KOUMI100 レースレポ<その3>

前回の続き

抑えて入ったので1周目(35km)を終えた時点で疲労感はほぼ皆無。林道の上りはポールを使って早歩きするんですが、1周目と違って走ってる人はほとんどいなくて抜かれることもなくなります。雨は相変わらず降り続いていたけど、コースの状態も把握できたのであとは同じことを淡々と続けるだけ。1周をこんな感じでルーティン化して、ポールを出す&しまうを繰り返してました。人によっては単調で飽きてしまうんでしょうけど、自分には性に合ってるらしく全然苦にならなかった。

2周目もノントラブルであっさり終了。目標の5時間30分に対して5時間33分は上出来。
水の補充、ジップロックに小分けした補給食の詰め替え、菓子パン&おにぎりを食べて軽くストレッチ。レースと同じようにエイドもほぼパターン化してたのでバタつくことなく黙々とこなす。気になったのがこの雨で、足がずっと濡れた状態だからどこかでケアしないとトラブル可能性大。いまのところ特に豆ができた感じもなかったのでケアは次周へ持ち越しで3周目へ。

ここまで道中に抜きつ抜かれつしたのがゼッケンNo.1の方。聞けば昨年のOSJチャンプだそうで、ゆっくりだけど上りも下りも常に走り続けている姿が印象的だった。下りではこちらが前に出るんだけど、ずっと走り続けているから上りで追い抜かされるの繰り返し。ちなみにこの方、シューズは足袋、手は軍手、レインウェアはワークマンとかに売ってそう(失礼言ってスイマセン!)、極めつけが補給食は食パンというから凄すぎる。。GORE-TEXだとかハイテクシューズとか、本当に強い人ってそういうのじゃないんでしょうね。そんな超人とお話してたら、走ってる時のフォームが綺麗なんて言われて元気よく走ってしまうお調子者がワタシです・・・。

多少の波はあれど体調は良く、3周目のA4エイドが見えた時にはKOUMIの完走を確信してました。今になって思えば気が早いんだけど、すべてが予定通りに進んでいて、体力的にも気持ちにもだいぶ余裕があったんだと思います。エイドに置かれた焚き火も参ってたら天国だろうななんてこと思いながら素通り。

歯車が狂い出したのはこのA4を通過してからの下り。
ドロの上を下っていたら、左膝に軽い違和感が。

・・・痛み?攣り?

特にダメージを受けた記憶もないし、このときはかすかな違和感だったので気にすることなく駆け下りて無事3周終了。

3周目は目標6時間に対して7時間8分と1時間オーバー。
この3周を終えた時が最もリタイアしやすいらしいけど、胃腸も体もまだまだ元気。さすがにペースは落ちてるけど、リタイアなんて微塵も考えることなくこれているんだからヨシとしよう。

ここでは滞在時間20分と長めにとっていたので、ガーニーグー塗り直してソックス&シューズを交換。ヒザの曲げ伸ばしでだいぶ張りを感じるので念入りにセルフマッサージ。夜になってだいぶ気温が下がっていたので用意してたお湯で暖をとる。

結局30分と予定を10分オーバーしたけど、ここらでしっかり休んでおくのが後々に影響するというのはUTMFで学習済み。駐車場を見渡すと車の数がけっこう減ってて、リタイアした人が帰宅したということ。体が冷えてしまう前に4周目スタート!

スタートしてすぐにわかる左膝の違和感。さっきまではかすかな痛みだったのが今は明確な痛みになってて、これはとってもイヤな予感。。
走れないほどではなかったのでペースを落として進んでいたら、友人Oさんとばったり。知り合いのペーサーで参加してるということで、たった今スタート(ペーサーは4周目から)したばかりなので元気いっぱい。そんなOさんとおしゃべりをしながら進んだおかげで林道は短く感じて助かった。しかし、その間も左膝は悪化し続けてついには走ると痛むような状態。二人にとてもついていけず背中を見送って再び一人旅。

ロードの下り坂すら走るのが困難で超スロージョグ。下りを歩きだすと後続の選手からちらほら抜かされはじめ。上りも下りもすべて歩きだったのでだいぶ時間をかけてにゅう山頂への急登。ロードのような衝撃がないので多少は進みやすいんだけど、集中力が切れたらしく疲労が一気に出て上る力が全然湧いてこない。行けども行けどもまったく山頂にたどり着かず、時刻はAM3時でアイツがやってこないわけがない。進んでるんだか寝てるんだかわからな状態になり座り心地のよさそうな岩を見つけて腰を下ろす。ヘッドライトを消したら月がとてもキレイで、しばし苔と化しました・・・。

熊鈴の音で目を覚ますと、下から2つのライトが近づいてくる。今回は2週間カフェインを抜いていたけど、ここまで何度もジェルでカフェインを摂ってきたので効き目がだいぶ落ちてきてる。走れなくなると眠気に疲労で一気に崩れだす。数分寝たおかげで頭はスッキリしたのでレース再開。

にゅう山頂の荒れっぷりは相変わらずだけど、周回を重ねるごとに水深が増してたのにはまいりました。ふくらはぎぐらいだろうと思って飛び込むと、膝下くらいまで沈むのには相当パニクります。まさにリアルなスタンド・バイ・ミー状態。水の底はドロなのでシューズがハマって脱げそうになるわ、冷たくて足の感覚がなくなるわでここまで荒れたレースは始めて。

なんとか山頂を越えて下り斜面。左ヒザは曲げ伸ばしするたびに痛みだしてて、クッションとして機能しない。ポールを使って着地の衝撃をやわらげながら急坂をゆっくり下り続ける。ロードに出た時には空がうっすら明るくなってて、もはや時計を見る気力も失せてました。

ロードもペースは全然上がらず。序盤みたく積極的に歩くのと違って痛みに耐えながらの歩きは1周がうんざりするほど長い。1周10時間ペースなので完走制限時間に間に合わない可能性が濃厚。というか4周の関門タイム(28時間)すら間に合うのか??この辺りからリタイアの文字がちらつき始めます。

関門時間が近づいていたので後続から走って抜かしていく選手たち。もはや歩くのすら痛くて、ひたすら見送り続ける。歩きながらどこで失敗したか振り返るんだけど、コレという心当たりがないんです。下りで飛ばしすぎた?練習不足?たぶんその両方なんだろうなんてことを考えながら黙々と。

痛い足を引きずりながら、最後くらいはと声援に応えるながら走ってゲートをくぐる。28時間の制限時間5分前になんとか戻ってくることはできた。そして事務局へ行ってリタイアを告げ、チップを外して幕を閉じる。

1周目:4時間50分
2周目:5時間33分
3周目:7時間8分
4周目:10時間15分

27時間49分 DNF

ぼんやりゲートを眺めていたら、猛ダッシュで戻ってくるも制限時間オーバーでレースを終える選手の姿。それを見たら制限時間いっぱいまでトライするべきなんじゃないかと一瞬よぎったけど、昨年の美ヶ原(足が痛いのに走り続けて半年以上ランオフ)を思い出してやめました。

駐車場に戻るとだいぶ閑散としてました。今年のKOUMI100は完走率27%と高くはないけど、今回は念入りに準備して自信があっただけにこの終わり方は悔しさとやるせなさのみ。ほんの些細なことが原因なんだと思うけど、そこも含めての結果。心に刻みこんで前進あるのみ。

こんな悪天候のなか開催してくれたスタッフ、ボランティアの方々には感謝しかありません。トレイルのダメージがやや気にはなりますが、やっぱりレースは面白いと改めて実感。日常に戻ることを祈りつつ、次のITJに向けて再出発!

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2 件のコメント

  • なるほど、膝の怪我でしたか、まさにアリの一撃ですね。軽症だと良いのですが。
    とにかく久しぶりの大会で本当に楽しかったですね(僕は一周で終わってますが笑)。
    今回の大会で日常生活では出会えないような化け物が沢山いる事を知る事ができて、それだけでも良かったです。
    ITJ頑張ってください!

    • アリの一撃、まさにそれです(笑 どんなに絶好調でも一瞬の油断が命取りになることを思い知りました。ケガはだいぶ良くなってきていてジョグは再開しています。
      おっしゃるとおりで、やっぱりリアルの大会に勝るものはありませんね!お互い今回はゴールにたどり着けませんでしたが、きっといい経験になったはず。
      たなかさんとまたどこかの大会でお会いできるのを楽しみにしてます。

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