第4回トレニックワールド 100mile in 彩の国 レースレポ<その3>

前回の続き。

くぬぎ村エイドを出ればあとはほぼ下るだけのノース終盤。

時刻は13時過ぎで容赦ない日差しが照りつける。最高気温28度というだけあってこんなに汗をかくのは久しぶりですが、湿度がそれほど高くないので灼熱地獄というほどではなかった。

夜の試走では気づかず突っ切った入り口もこれなら間違えようがない。

しばらく行くと歩いている選手の姿。足が残ってないと走り続けるのは厳しいひたすら長い下りで、試走の時に疲労でまったく走れなかった経験があるので気持ちはよくわかります。今日は絶好調なのであっさりパスして鼻歌まじりに気持ちよく駆け下りてました。そしてやってきた魔の手。

なんか胸につっかえる感じがあるなと思っていたらゲップが出始める。レース中にゲップを繰り返すランナーがその後どうなるか何度も見てきたので危険な信号だと思いペースダウン。上がってきたものを押し戻せるんじゃないかと水分補給してみたり、胸のベルトを緩めてみたり。幸い大事には至らず無事に市街地へ。

住宅街ではゲップも止まって一安心。下りでせわしなく目を動かしすぎたことによる視覚的なものだった?

CP5 ニューサンピア埼玉おごせ


タイム 7時間16分(-1時間30分
到着タイムと目標タイムがここまでかけ離れていると計画がまったく意味をなしてない。ノースを8時間半ぐらいというそもそもの計画が甘々だったなあなんて思いながらエイドへ。(甘々なのはその考え方だよと言ってやりたい・・・)

ここでの目標滞在時間は15分。さっきのゲップが気になったので安全のため固形物は梅干し数個。

サウス1周目用に小分けしておいた補給食を詰めかえて立ち上がろうとしたら、前ももと梨状筋がだいぶ張っていることに気づきます。先の長さを考えて念のためストレッチしてほぐしておくことに。結局このストレッチに時間を使ったため滞在は25分だけど、ここまでのエイドを1~2分で抜けてきたのでお釣りがくるぐらい。

出る時に順位を確認したら7位だそうで、いよいよ入賞に手が届くところまで近づいてきた。ノースでは見るのをやめていた計画表も、サウスではしっかり見ながら行こうと考えを改めます。さあ後半戦!!


South 1

元気よくエイドを飛び出し、日差しに耐えながらロードをしばらく走っていたんです。平坦で何の変哲もない歩道。それなのにどういうわけかまったく走る力が湧いてこなくて徐々にペースダウン。走っても歩いても変わらないぐらいまでペースが落ちてしまい、ちょっとすれば回復するだろうと歩いていたら再びやってきた胃のムカムカした感じ。ゲップ祭り復活で歩くどころではなくなり日陰に入って完全停止。大きく深呼吸するだけで吐きそうになる・・・なんかすごくヤバイ。

ついさっきジェルも水分も補給したばかりだし、ノースでも補給には気をつけていたのでエネルギー切れは考えられない。1時間おきにナトリウムも入れて万全を期していたはず。それなのにこれは??

後ろから来た選手に抜かれるけど、もちろん後を追うことなんてできず見送るだけ。気持ちはレースモードだったので少しでも前に進もうと歩きを再開。トレイル入り口の公園で応援してくれている人から「頑張って、今11位!」と声援をもらうんですが、先に続く上りを見たら気持ちが萎えて公園のベンチでふたたび小休止。過去にもうダメだという状態から何度も復活してきたし、ここから復活しなかったことはない。今日だってしばらくすれば必ず復活すると信じて先へ。

CP6 桂木観音


タイム 9時間21分(-20分
CP5 ニューサンピア~CP6 桂木観音は1時間の予定が倍近くかかっている。とにかく走る力がまったく湧かない&ムカムカ継続中で、しばらくベンチで横になってみたけどまったく回復しない。

残り100km・・・この時の気持ちを正直に言います。
めちゃくちゃ止めてしまいたい。

レポ読んで励みになったというコメントを時々いただくことがあり冥利に尽きるんですが、実際はそんな大した男じゃないんです。とにかく体調のおかしさに終わりが見えず今すぐにでもやめてしまいたかった。スタッフのおばちゃんにレースをおりる相談したら、歩いてサンピアへ戻るのが一番早いと言われてそれをする気にならずベンチで放心。

まどろんでいたのか朦朧としてたのかわからない状態でぼんやり腰を下ろすこと40分。どうにか吐き気は落ち着き、空腹感があったので何かいれようとコロッケパンのパンだけもらって少しづつ食べてみることに。食べられる姿を見たスタッフがOS1を持ってきてくれてありがたかった。快調だったときはスタッフの顔もろくに見ることなく補給だけして飛び出してきたけど、いざこうなってみて改めてありがたさを実感している自分はなんにもわかっちゃいない。スタッフのおじさんから「どんなに遅くったっていいからさ、最後まで走った方がいいよ」と言われて種火がついた気がします。

スタートして10時間。スタッフはこれから25時間も選手のためにエイドを開いてくれているわけで、レースを終えるにはまだ早すぎる。サンピアを出た時よりも40近く順位を落として、果たしてこの状態でどこまで行けるか検討もつかない。だけど歩ける限りはレースを続けよう。目標は完走ではなく次のエイドまで。その先のことはたどり着いたら考える。

行くか。

第4回トレニックワールド 100mile in 彩の国 レースレポ<その4>

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