静岡マラソン2019レースレポ<その3>

前回の続き


中間点~35km

言葉どおり風向きが変わったのは25kmを過ぎてから。
穏やだった海側から向かい風がふきはじめ、これが進むにつれて強くなってくる。沿道で応援してくれてる人たちを見ると強風というほどではないんですが、30km近く走ってきたランナーを失速させるにはこれで十分。抗おうとこれまで以上の力を出して走っているのにペースは4分台でさっきまでののどかな景色から一気に地獄に叩き落とされた。。

どこかに風よけになってくれそうな人がいないかと探していたら、後ろからザッザッザッと大集団の足音が近づいてくる。この向かい風の中ペーサー??混乱しながら急に進路を変えるは危ないのでそのままやり過ごそうと走っていたらすっぽり大集団に飲み込まれます。そしてランナーに囲まれた瞬間に体が軽くなってフワッと浮くような感じ。なにこれ超ラク!身長165cmというチビの特権もあいまって中は無風地帯。Breaking2のキプチョゲはこんな感じだったのかなと勝手に妄想してました。まだ10km以上続く海岸線でこの状況に諦めかけていましたが、これならまだワンチャンある。ここは温存して海岸線を離れたらペースアップしようとプラン変更して時が来るのを待つことに。

それまで広い道に散らばっていたランナーがぴっちり固まって走るので前後の感覚がとにかく近い。かかとを踏まれてヒヤッとしたり、こちらが前の人のかかとを踏んでしまったり。中で走っていると消耗しないものだからつい前に出たくなってしまうんですが、外と中では消耗度が全然ちがう。だもんで一定距離走ると隊列交代(単に前が力尽きただけw)する協力プレイ!風よけ効果のおかげで体力は温存できたんですが、決して早くなるわけではないのでひたすら4分台が続く。ここまでの貯金が-20秒なのでこのままだとたぶん間に合わない・・・。

海を離れて35kmからkm/3’50で走るか・・・ムリでしょ。
風の中に飛び出してキロ4で押してくか・・・藻屑と化す気しかしない。
どうするどうする。

救世主現る

出ようか温存するかで決めかねていたら、集団の横をスコーンとぶち抜いて行く1人のランナーが。喜多秀喜さん(66歳)でした。風よけなんかまったく使わずにわが道を行く喜多さん。

遠ざかっていく後ろ姿が、
「若造、マラソンってのはこうやって走んだよ」
そう言ってる気がして、引っ叩かれたように目が覚めた。※言われてません。すべて私の妄想です。

集団を飛び出し向かい風を受けながらペースアップ!喜多さんの背中を追いかけます。自分がやろうとしてたことをすっかり忘れてた。体力を温存して終盤上げてからの自己ベスト更新。お手本通りの走りで記録を残せたとしてもきっとしこりが残る。もし風にはね返されて記録すら更新できなかったとしたら?記録も残らないけど悔いも残らない。さっきと同じようにキロ4よりやや落としたペースで走る喜多さんに追いつき、心のなかで礼をしながら再び前へ!

35km通過タイム:2時間20分21秒
目標通過タイムとの差:+44秒

35kmを遅くとも2時間20分では通過しておきたかった。もしブログのライブ見てる人がいたら一気に失速してもうダメだと思われてるんだろうな。友人達がLineグループ内でアップデート見ながら応援してくれてて、35km通過時点でこんな予想タイムに暗雲が立ち込めてたみたい。

当の本人は諦めてません。
残り7km、死ぬ気で上げて21秒取り戻す!

36km~Goal

市街地に入ると向かい風が無くなりさらにペースアップ。ラップタイムは再び3分台を刻み始めるんですが、それを知ったのはレースが終わってから。ここからゴールまでの6kmはすべて出し切るまでよと時計をまったく見ていませんでした。前を走る選手を次々にパスし、1秒だって無駄にはしたくなかったのでエイドには目もくれずゴールまっしぐら。スパートをかけていたら3年前の静岡マラソンがフラッシュバック。3時間0分40秒で駆け抜けたあの時と同じだ。

【その3】静岡マラソン2016レースレポ ~サブ3の扉が閉じた時~


今回も2時間50分●●秒なんて十分にありえるけれど、そうなったら翌年絶対リベンジしよう。そしてその時には今この瞬間の自分を振り返っているのかな。とにかく今は出し切って未来の自分に悔いない走りをするまで。

ふと前方に見覚えのある背中が見えたと思ったら20kmまで一緒に走っていたリーダー。声をかけようにも息が上がっていたので手を上げて合図。気づいたリーダーが「頑張って!獲れますよ!」と背中からエールを送ってくれる。39km通過時にようやく手元の時計に目をやると、おや??残り3kmを4分10秒でも間に合うの??息が上がって朦朧とした頭をフル回転したら合点。なんのことはない、当初の予定通過タイムは36kmから先のラップタイムをkm/4’10想定だったところ、ペースアップして取り戻したということ。散々やらかしてきたけど、今日のはいい勘違いで助かったw

40km通過タイム:2時間40分25秒
目標通過タイムとの差:±0秒

獲った!そう確信しましたが、もちろんペースダウンするようなことはしません。疲労で腰が落ちてフォアフットどころではなかったんですが、それでもヴェイパーフライは早いというのがよくわかった。太鼓と歓声で溢れる清水駅前の最後の直線。ゲートが見え、その上に表示されたタイムは、

 2:48:40 

オシ!

最後の直線で二人パスして全力でゴール。


ゴールタイム:2時間49分00秒
目標タイムとの差:-45秒

レースを終えて

正直可能性は低い気がしていた今回のレース。振り返るとあちこちにトラップがあって、それらをうまく回避できたのは草レースの経験が活きたか。体にキレがないし調子も上がっていないと思っていたけど、この結果を見ると実は上向いていた?もしくはこれが小出監督の言う疲労した状態だったのかもしれない。ダメだろうと思ってたら走れちゃったり、その逆もしかり。あの状況で喜多さんにぶち抜かれなかったどうなってたんだろうとか、つくづく奥の深いスポーツでやればやるほど面白い。

今回はゴールした瞬間のやった!という達成感と同時に、ようやく終わった!という安堵感も大きくて。12月から追い込み続けたサブ50チャレンジはうまくいかないことも多くて肉体的にも精神的にも疲労してたのかもしれません。燃え尽きたとかそういうのではないし、むしろまだ伸びしろはあると感じているのでさらなる高みを目指しますよ。ただちょっと疲れたから野山を走ってリフレッシュしてこようかなとも。1年中ロードを走り続けるのは自分にとって難しいと改めて実感。なんてこと言いつつインフル対策に保険で板橋シティマラソン入れてたり、〆にハーフを1本入れてたりもするんですけどね。そこは体調と気持ち次第。

これにて今シーズンのメインレースはすべて終了。目標だったサブ50を達成したので、来年はずっと憧れだった夢の舞台へ乗り込みます。カテ2(2時間55分以内)が獲れたら別大へ!

これから東京マラソンを走る選手のみなさん、それぞれの目標に向けて頑張ってください!沿道から声援送ります!

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4 件のコメント

  • コーヘイさま

    朝から気合が入りました。
    勇気をいただきました!

    悔いのない、自分に恥ずかしくない走りをします!!

    飯田橋ですと、9時30分頃に通過予定です。

    • しゅんさん

      東京マラソンお疲れさまでした。寒さで厳しいレースだったのではないでしょうか?応援場所を浅草橋に変更したのでサブ3ランナー達が通過する時刻には反対車線にいました。
      また次の大会に向けてお互い頑張りましょう!

  • たいへん遅くなりましたが、
    サブ50!!!目標達成おめでとうございます!^^
    常に進歩を目指されている姿勢と情熱の結果ですね。
    すばらしいと思います。

    こちらは……初のDNFで終わりました。
    直接の原因は足の激痛ですが(疲労骨折かと思うレベルでした><)
    練習・準備不足が理由です。
    この2週間は、反省や後悔ばかりが思い浮かぶ日々でした。
    今までの取り組み方や姿勢を振り返るきっかけにしたい…と思います(ノД`)

    • きじすけさん

      ありがとうございます。どうにか更新できていますがどこまで続くやら^^;

      きじすけさんはDNFでしたか、、お疲れさまでした。どれぐらいの距離で症状が出たのかわかりませんが、なんせ超ロング。疲労骨折を疑うほどの激痛・・・想像すらできません。。この経験を活かしてまた挑戦してください。応援しています!

  • koohey へ返信する コメントをキャンセル

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