第6回トレニックワールド in 外秩父レースレポ(後編)

前回の続き


A2釜山神社~A5大野峠

霧はさらに濃くなり、何度も道を間違えそうになる。

曲がり角には目印があるし木から黄色やピンクのテープがぶら下がってはいるんですが、いかんせん視界が悪くて近づかないと気づきません。しかもテープの間隔が時々やけに広かったりして、何度不安になったことか。奥宮さんのFunTrailsの時も同じ目にあいましたが、秩父エリアは分岐が多くてとにかくわかりづらい。

大霧山とはまた絶妙なネーミング。この景色を見にくるんでしょうか・・・奥が深い。(霧も)

深い霧のなかを進んでいるとこの道であっているのか不安になり、前から来る人に「ランナーとすれ違いましたか?」と尋ねてました。道間違いの不安は常につきまといつつも、足は快調で落ちてくる選手を次々にパスして着実に順位を上げる展開。特にエイドでは水の補給のみ(時々コーラ)に徹底したおかげで1~2分で出れていた気がします。休んでる選手を横目に水のタンクへ直行し、ボトルを満たしたら即出発!今回のエイドは補給よりも順位を上げられることが楽しみに。

順位:20位

いいペースで走れてますが、先を行くキーチさんの姿が一向に見えてこない。このレースに向けて山を走り込んでると言ってたし、いっても自分と大差はないのでもしかしたらそのままゴールまで行けちゃうかも。そんなことを思っていた矢先、見覚えのあるランパンが目に入る。

そっと足音をしのばせて近づき、怪談風に

み~~つけた
するとキーチさん、かなりげっそりした様子で
もう山おりたい・・・
いつもの冗談を返す余裕は皆無のようでだいぶ弱気。一緒に行こう!と活を入れるもHPゼロで全然乗ってきてくれません。

今日みたいにロード区間が長いレースだとサブ3ランナーはハイペースになりがち。自分もそれで何度もやらかしてる。そのことを伝えようか迷いましたが、攻め方は人それぞれなので余計なことは言わずに見送りました。予想通り撃沈したか・・・。キーチさんにとって今日のレースはあくまでもハセツネに向けた前哨戦。きっとこの経験が来月のレースで活きることでしょう。ついでに43kmで9回もエイドがあることがいかに天国か、存分に味わってもらえるはずw

ゴールで会うことを約束して先へ。その後もペースダウンする選手を着実にパスし続けますが、徐々に前行く選手の数が少なくなってきた。そして見えてきたA5大野峠。

エイドの入り口でゼッケンナンバーを確認しているスタッフがいたので現在の順位をたずねると、なんと総合で13位という返答。マジ!?年代別だけでなく総合で一桁も狙えるじゃないの。ここまで体は絶好調を維持してるので残り16kmは十分走りきれる。俄然燃えてきた!

順位:13位

A5大野峠~A6大満農業集落センター

このA5に先に到着していた選手を横目にエイドを飛び出したので順位を一つ上げて12位。

日がさしてきてナニかが降臨しそうな雰囲気。

気持ちは右のロードをそのまま進みたいのに矢印は山道を上がって行けと。Jさんからトレニックワールドのコースはジワジワくるなんて聞かされてましたが・・・納得。

この辺になると完全に一人旅。ようやく前に選手の姿を捉えるも、向こうも負けじと競ってくるので簡単には抜かさせてくれません。10分くらいデッドヒートを繰り広げてようやく前に出れたりして乳酸とアドレナリンが止まらない。エイドでひっそりと先へ行かせてもらう方が体力的にも精神的にもだいぶ楽だわ。

A2でペースアップしてからここまで1度も抜かれることなく来れていましたが、ここで1回だけ後続選手に追い抜かれまして。下っていたら音もなく後ろにはりつかれ、走力の違いを感じて横に飛び退いてゆずります。この方、ロング(50km)で1位の選手で下りのまあ早いこと。ためしに全開走行してくらいついてみましたが、このペースで走り続けたら確実に転倒すると悟り20秒ほどで断念。。ハセツネでサブ10するならこの速度域を自分のモノにしないとできないんだろうなあなんて思いながら遠ざかる背中を見送ります。もっと練習しよ。

景色のいいA6野松見晴台に到着。

ここのエイドには誰もいなくて落胆。まだ10人しか通過していないせいか、綺麗に並んだフルーツポンチや果物がお出迎え。エイドには他に誰もいなかったのでスタッフの皆さんからアレもあるよコレもあるよと誘惑されまくり(笑 ただ、ここでフルーツポンチを食べたところでゴールタイムが縮まるわけではないし、食べてる時間の分だけ前の選手は離れてしまう。誘惑を振り払い、水だけ入れて出発!美味しそうだったな・・・フルーツポンチ。

ここから最終エイドまで一気に駆け下りる。

目印を見失わないようにしながら上げられるだけペースアップ。途中で1人抜いてついに10位。足はまだ十分生きているのでこの先の桂木山も攻められる。こうなったら何が何でも総合で一桁に入りたい。限界ペースで走っていましたが、行けども前の選手は影も形もなくて。もうだいぶ先に行ってしまったかなと諦めかけてたころに最終エイドが見えてきた。そしてそこには9位の選手が頭から水浴び中。
チャーンス!なんて思ってたら向こうも気づいてこちらがエイドに入ると同時に出ていってしまいました。ここで順位を上げることは叶わず。

順位:10位

A6大満農業集落センター~フィニッシュ


急げ!急げ!大慌てで水を入れてエイドを飛び出します。
こちらが差をつめているのは間違いないので、勝負はこの桂木山の急登。足は十分残っている感触があったのできっと行ける。山に入ってしばらく行くと上の方に見えてきました9位の選手。膝に手をつきながら着実に最短距離を上がります。向こうも負けじとペースUPして本日一番のデッドヒート。上りながら何度も真横に並ぶも先には行かせてもらえず。上りきっての平坦路を少しでも走れれば前に出れるんですが、二人とも足がパンパンで歩くしかない状態。お互い一歩も譲らずの大接戦でしたが、ついに「マケマシタ」と笑顔で譲られます。外国の選手で、こちらも何か気のきいた言葉を英語で返せたらと思いましたがそれはムリなのでとりあえずスマイル。

これで9位。ゴールまでこのポジションをなんとしても死守せねばと快調に飛ばします。

あとは桂木山を駆け下りるだけという場面でハプニング!
行けども行けどもコースマーカーが見つからない・・・やっちまった。
まさか最後の最後でロスト!?周囲を見渡すと遠くの方にピンクのヒモが見えるような気もするけど、もしあれならだいぶもどらないと・・・
こうしてる間にも先程かわした外国の選手は迫ってるわけで、どうするどうするオレ。追い詰められると股間のあたりがキューッとなるのは小学生の頃から変わってませんw
上から先ほどの選手が下りてくる姿が目に入るとますます焦り、もうこの道で合ってると判断し慌てて先へ!ちょっと進むと見慣れたテープが出現するというね、、トレランあるある。

再び猛ダッシュで後ろを引き離し、なんとさらにもう一人追いつき。この方は足がすでに終わってしまったようであっさりゆずられて8位!斜面の下にゴールらしきものが見えてきました。見るとちょうど7位の選手が下りきって会場に入るところで、さすがに追いつくのはムリと諦めます。


FINISH:5:41:11
順位:8位

年代別3位入賞&戦利品


ゴールしてこんなに人がいなかったのは初めて。水浴びしてさっぱりし、完走証を受け取ってみたらビックリ。年代別で3位に入ってました。人生初めての入賞に感無量!

小さな大会なので表彰式といっても簡易的ですが、これは嬉しかった。

入賞者(1位~3位)には紙袋が手渡されまして、戦利品はこちら。

ナッツやクッキーはお土産ができてありがたや。なぜにゴム手??と思ったんですが、この大会のスポンサーにワークマンが入っているのを見て納得。謎のDVDは栄養学みたいなことをレクチャーしてて2時間近い長編。あわよくばALTRAのシューズを期待しましたがさすがに入っていなかった。

レースを振り返って

前半を抑えて入り後半上げる作戦は見事成功。最後まで抜かし続ける展開はロードと同じで気持ちがいいものです。

初めてトレニックワールドの大会に出ましたが、スタッフはアットホームだし、選手もそんなにガツガツしてなくてすごくよかった。ハセツネも楽しいんですが、あっちはなんか異様に殺気立ってますから。。マーカーの数が多くないのでコースが分かりづらいとは感じますが、ここの大会はそういうもんだと割り切って事前に地図を見ておくべきかもしれません。今回は昼間なのでマシな方で、100kmレースでは1位と2位が普通に道を間違えるんだとか。ここのレースで夜間は相当難易度高い気がする。今回の完走率はミドル(86%)、ロング(79%)と走りやすいコンディションだったことを物語っています。

ゼッケンに高低図(見やすいように逆さまに印字!)を入れるとは素晴らしいアイデア。実はこのことに気づいたのはゴールしてから。。

次回はハセツネ!乗ってきたので自己ベスト更新狙います!

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2 件のコメント

  • どーも!
    一応おちゃらけランナーのキーチです。
    フルーツポンチ美味しかったですよ!
    2杯頂きました。
    え?
    ハセツネってエイド10個くらい有るんですよね?
    ハセツネはどのエイドにフルーツポンチ置いてありますか?
    冷えたコーラも欲しいなあ。

    いやしかし、抜かれたときは
    直前の超急勾配の手すり付の階段にやられ戦意喪失状態。
    寝ないウサギに寝る亀が抜かされるくらいのスピード差でした。
    そのままの勢いでゴールされたとは。。。
    恐れ入ります!
    そして、おめでとうございます!!

    • キーチさん

      先日はおつかれさま!
      実は初トレイルレースのキーチさんにゴールまでぶっちぎられるのではないかと内心ひやひやしていたのはここだけの話。飯能アルプスの時みたく勝負に乗ってくるかと思ったんですけどね、、惜しかった。

      エイドが10個?冷えたコーラにフルーツポンチ・・・ですと??
      山岳耐久レースがどんなものかとくと味わっていただきましょう!
      大丈夫、骨は拾います。

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