前回の続き。
START
熱気に溢れた会場全体でカウントダウン!ヤバイ、上がる!
スタートからA1までの21kmはひたすら下り基調。WS(ウォーターステーション)までの砂利道は上げすぎないように注意しながら、でも必要以上に抑えないようにペースはサブ4ぐらい。5kmも行けばふるい分けが完了して周囲はいい感じに同ペース。
走りながら今日の体調チェック。
1週間前から練習量を激減させたおかげで疲労はすっかり抜けて絶好調。足の不安もないし、過去の経験を踏まえてレース前の食べ過ぎにも気をつけたので胃腸も良好。加えてこの5日間はカフェインを断っているのでそのうち襲ってくる睡魔に対する効果も期待できるでしょう。万全の体制で今日という日を迎えられたことに感謝しながら、忘れてはならない過去の教訓を反芻。
<その1>胃がムカムカし始める。 → 胃腸薬用意
<その2>腹を下す。 → 下痢止め用意
<その3>忘れ物で2度もコースを逆走する。 → とにかく気をつける!
<その4>靴下が破れる。 → 替えの靴下用意
曇天で気温もそれほど高くなく、水はほとんど消費していなかったのでWSはノンストップ。事前にコースマップを見る限りではここからA1までの7kmはド直線。こんな林道をどうやって?と不思議に思ってました。
実際走ってみたら納得、高架線の下をひたすら行くのね。単調で面白みには欠けるけど、人も住んでないしでコース的には正解。
下り基調ながらアップダウンがあって海外選手は果敢に攻めてる印象。対して日本人は団子になって追従してる感じ。先を考えると抑えようかとも思いましたが、ほぼ下りのボーナスステージなんてA1までしかないのでここでは抜かしていった西洋人に張り付いて攻めることに。同様に数人が後についてきた。
A1 富士宮
予定より1時間早い到着だけど、そこまで攻めたわけでもないので疲労は皆無。あくまでボーナスタイムと割り切り、ここから始まる山岳ステージに備えます。
A2までに使うジェルをザックやパンツのポケットに詰め込み、ザックに入れておいた空のボトルにも水を満たして3本(1.5L)体制。ここからA2までの28kmで越えなければならない天子ヶ岳(1,330m)→長者ヶ岳(1,336m)→熊森山(1,575m)の天使山地はいきなり前半の山場。ここは気をつけないと水切れしかねない。
IN:17時07分
OUT:17時13分
順位:277
エイドを出てしばらくすると親指に微かな痛みが。豆ができる兆候とわかりすぐに脇に寄ってテーピングテープで保護。ここまで抜かした分が完全停止するとあっとゆうまにチャラですが、豆への対処は早いほうがいいとK師匠の教え。こんなロスは惜しくありません。いつもなら気づかないぐらいの微かな変化でしたが、武尊の二の舞には絶対になるまいと心に決めてるので豆には相当敏感。それなら最初から巻いとけよとツッコミが入りそうですが、そこまで頭が回らない奴なんでござんすw いちおうバンドエイドは巻いてましたけどね、テーピングテープにするべきだった。。
ふと前方にA1まで並走してたランナーの歩く姿が。声をかけると、かなり顔色が悪くすでに吐いてしまったと。自分と同じように昨年の武尊を完走してて、今日は30時間切りを目標にしてると言ってた背中は軽快そのものだったのに。お互い頑張りましょうなんて言ってたのはほんの1時間前・・・恐ろしい。彼、ゴールできたかな。
天子ヶ岳への山道に入ると急登のはじまり。
のっけからなかなかの急登でしたが、まだ足がピンピンしてるというのもあってそれほど苦でもなく。ただ、ここでも木の根本でえづいてる人をちらほら見かけたので、前の選手に張り付きはしても積極的に前には出ず意識してセーブ。
辺りが暗くなってきて1日目のナイトステージ。今回は少しでも荷物を軽くしようと腰ライトはナシでヘッド&ハンドの2灯体制。ついでに二晩走ることを考えNAOのリアクティブ機能は使わずにコンスタントモードモードの12時間設定。状況に応じて明るさが自動で変わるリアクティブ機能は便利な反面、想定使用時間が変わることもしょっちゅう。前に人がいるときや、霧の中を走るときになりやすいので今回は封印して安定稼働を優先します。
手元のガーミンで標高1,300mを越えた辺りから周囲が霧(というか雲の中?)に包まれます。山頂が近づくにつれてゴツゴツした岩場が出てきて奥多摩の三頭山そっくり。
尾根に出るとピンクのゼッケンをつけた選手をパスしはじめます。UTMFの3時間前にスタートしたSTYの選手で、スピードが違うため追いつくとすぐに譲ってくれます。ただ、せまい山道だとどこでも抜かせるわけでもなくてやきもきする場面も。自分の位置でこれだとトップ選手はかなり走りづらかったんじゃないかな。UTMFとSTYが同日にほぼ同じコースを走る限り避けられない問題。
熊森山通過であとは下るだけ。この下りでもかなり抜かしましたが、ほとんどピンクゼッケンでブルーゼッケンはほんの少し。
暗闇の中にオアシスが見えてきた!
A2 麓
選手たちの周りを応援者たちが遠巻きに見守る光景は、当たり前だけどDVDで見たのと一緒。そこに自分が選手としていることが単純に嬉しい。
と余韻に浸ってる場合ではないので、まずは足のメンテから。親指の豆はテーピングで事なきを得ましたが、こうなると他の指も気になってくる。そこで救護所でハサミかりて足の指すべてをしっかり保護。他にも擦れそうなとこはすべて覆って万全の体制に。これにけっこう時間をとられてしまい、最初からやっとくべきだったと反省。
ちなみにこの救護所は気持ち悪くなって戦意喪失したランナーで溢れてて、頭を抱える人、血色のよくない顔で虚空を見つめる人・・・。
幸い自分の胃はピンピンしてたので、富士宮やきそばとクリームパン3個いただきました。
ブログにコメントをくれるトシさんがボランティアで給水スタッフ(コーラ担当)してるということで探しましたが見つからず。コーラ担当にトシさんの名を連呼するも皆さん首をかしげるばかり。早く着きすぎたかなんて思い諦めて出発しようとしてたら背中を叩かれ、ご本人にお会いすることができた!(トシさんの手には水のボトルw)
2時間の貯金は維持できていて、この調子だと31時間か~なんて気が早い妄想してました。どうやらA1の予想到着時間がだいぶずれてたみたい。。
IN:22時07分
OUT:22時29分
順位:251(-26)
端足峠でSTYの選手とはルートが変わり、こちらは竜ヶ岳の山頂へ。
時刻は1時過ぎで眠気の第一弾到来。こんなに早く眠気はこないだろうとカフェイン入りジェルはすべてドロップバッグの中。A4までは耐えるつもりでしたが、目に見えてペースが落ちてきたのでモカ(錠剤)投入!これが効果てきめん!1週間カフェインを抜いただけあって一気に目が覚めた。竜ヶ岳までの上りはひらけていてとにかく風が強い。もたもたしてると体力を奪われるのでさくっとクリアして低いところへ。
STYの選手と再び合流。
あとはロードを下ればA3だなんて思っていた矢先にきましたよ、、お腹がゴロゴロと。強風で冷やしたか・・・レインウェア着ておくべきだったと反省しつつ、今日はダイジョーブ!ちょいと止まってトメダインを飲んだら不調はすぐに収まった。武尊ではこのゴロゴロに苦しみ、長時間まともに走れなかった経験が確実に活きてます。
坂を下ってしばらく行くとA3が見えてきた。
A3 本栖湖
クリームパン2個、ユバご飯3個をいただきコーラでカフェイン追加。この先どこまで固形物を摂ることができるかわからないけど、胃が大丈夫なうちはエイドでとにかく固形物。いつもなら流し込むように食べるところですが、補給食講座でVESPA齋藤さんが言っていたことを実践。
外に出るとあまりの寒さにあわてて引き返してレインウェア装備。
IN:1時14分
OUT:1時26分
順位:230(-19)
空には煌々と光る月と、その月に照らされて浮かび上がる富士山。こんなに間近で夜の富士山を見るのは初めてのことで、その幻想的な姿にただただ圧巻でした。一日中富士山を楽しめるとはさすがUTMF。ついでに夜の山で光が列をなすのを見るのも好き。
この区間は眠気も来ず快調そのもの。A4に近づくとスタッフが関門閉鎖まで残り10分とアナウンスしていて必死にダッシュするSTYの選手たち。ここまで70km以上走ってるわけで、こんなところで終わりたくない気持ちはすごくわかる。そんなにダッシュしたらこの先の余力は大丈夫?なんてことを思いながら追い上げてくるSTYの選手には道を譲ってエールを送りながらのA4到着。
お待ちかねのドロップバッグを受け取りここではやること盛りだくさん。
足は、まだ元気です。
改めて、完走おめでとうございます。
いやー、ホント会えて良かったですよw。予めゼッケンナンバーを教えて頂いたので探せました(爆)
最初はコーラだったんですが、水の方がランナーを待たせるので、そっちを手伝うことにしたんです。ボランティアも混み具合で臨機応変に対応することで、選手に少しでもストレスを無くしたいと思っていました。
あと、そうそう!富士山が近いと夜でも見えるんですよ。ちなみに我が家かも夜は富士山見えます(爆)
残りのレポ楽しみにしてますね。
トシさんも長時間にわたるボランティアスタッフお疲れ様でした!
たしかに、A2だとまだ水を欲しがる人の方が多いかもしれませんね。コーラは炭酸アリ、ナシ(振って炭酸抜いている?)が選べて、すごいおもてなしだと感動しましたよ^^
夜の富士山はホント感動でした。最初まったく存在に気づかず、ふと暗闇のなかに巨大な富士山が見えた時は思わず声出しちゃいました。UTMFならではの絶景ですね。