分水嶺トレイル2019 縦走レポ<1日目>

前回の続き


スタート ~ CP1雲取山荘

少しでも前からスタートしようなんて人はほとんどいないのんびりとしたスタート。皆さんけっこうな量の荷物を背負う中、正面のブルーザックの方だけかなり軽そうでして、必携品プラス少々のギリギリまで切りつめてると思われ。ちなみにこの方が今年のAコースチャンプ。

鴨沢から雲取山までの上りはトレランだと小走りしたくなるけど、今日は9kg近い荷物を背負ってるのでとてもムリ。それでも元気な1日目はCT比0.6で計画していたのでハイカーをどんどん追い抜きます。

ザックにぶら下げた番号の書かれたラミネート見たハイカーから「レースですか?」と尋ねられ、トレランレースと言ったら主催者に怒られそうなので「いえ、健脚大会です」と自分でもよくわからない返答。「どこまで行くんですか?」と聞かれたのでここは正直に「清里まで」と答えたらぶったまげられ。 TJARで望月さんが槍ヶ岳で会ったハイカーに行き先聞かれて「太平洋」って答えた時の反応とそっくりでなんか可笑しかった。(レベルは2桁くらい違いますが)

そのあと譲った選手の足元がワラーチで、こういう人にはかなわないなあと思って見てたら「今日はどちらまで?」なんて声をかけられ。一瞬なんのことかわからず混乱したけど、どこでテン泊するのかという質問だと合点。トレランレースにはないこのやり取りがなんか楽しい。

ここまで地図を見るまでもなく、知った尾根道をすぎれば雲取山はすぐそこ。

雲取山荘

予定よりも40分早く雲取山荘到着。この大会ではCPに入る時と出る時の2回スタッフに声をかけるルール。

雲取山荘ではカップ麺やドリンクが販売されていましたが、それには手を出さずここでは持ってきたパンとジェル。まずは持参した食料を減らして軽量化せねば。

パンを食べながら他の選手を眺めていたら、Bコースに参加している知人Uさんの姿が。同日0時に青梅をスタートしてここまですでに40km弱あるので、元気そうだけど若干疲労もにじませてました。AとBは距離の違いもあるけど、一番の違いはスタート時間な気がしてまして。もし金曜が会社だったらその晩からスタートて、、どんだけ寝れないんだ・・・。初日は将監小屋でテン泊するというUさんと別れて出発。

CP1雲取山荘 ~ CP2雁坂小屋

サクッと雲取山を通過して霧のなかを三条ダルミまで軽快に駆け下りる。逆からだと雲取山まで長い長い上りで苦しいのなんの。

笹の道を進んでいたら前方で止まってる人がいて、見ると折れたポールの修理中。転倒したときに力をかけてしまったそうで、自分と同じヘリテイジのポールだったのでそんなあっさり折れるものかと気が引き締まる。(この方、のちにもう片方のポールもへし折りながらストックシェルター使ってゴールする超つわものw)

将監小屋

目標タイムをさらに短縮して予定より70分早く将監小屋到着。ちょっと計画が甘かったかな。

テン場にはいくつかツェルトが張られてて、おそらくBコースの選手はここで休む人が多いのかもしれません。小屋で買ったカップ麺で腹を満たします。ほぼ走らず心拍数もそれほど上がらないので胃腸はまったく問題無し。

将監小屋を出ると辺りは暗くなってきてナイトステージへ。予想通り霧で視界は悪く、こんなこともあろうかと今回はペツルNAOではなくスポット/拡散光を切り替えられるレッドレンザーにして正解。

夜になって雨足が強くなってきたころ、このレースの名前にもなってる「分水嶺」に。この峠の東側に降った雨は「荒川」、西側に降った雨は「富士川」、南側に降った雨は「多摩川」になる、ここが3つの河川の分水嶺。それまで小降りだった雨が、この石碑の近くになったら本降りになったのはたまたまだと思うけど、なんだか神秘的な気持ちになれた場所。

そろそろ休憩したいなと思っていたら暗闇のなかに柔らかい光が見えて雁坂小屋到着。

雁坂小屋

他の選手とストーブに当たりながら先へ進むか悩んでいたら、畳の上にいた女性から「ここで2~3時間休んで行きなよ」と声をかけられ。「え?いいんですか?」と尋ねたらどうぞどうぞ休んでいきなって。たしかルールでは山小屋で寝たりしてはいけないことになってたような気がするんだけど、小屋の人がそう言うんだし外はけっこうな雨だからもしかしてルールが変わったのかも。都合のいい解釈をしてここはお言葉に甘えることに。大雨のなかツェルトを張るのが億劫だったのでこの誘いには救われた。

そうと決まれば腹を満たして仮眠しようと売店へ。
「どうも、少しだけお世話になります!」ってご挨拶したら、ご主人申し訳なさそうに
「レースを続けるならルール違反になるよ」って・・・ズコ凹

先ほどの女性はこの大会のことを一切知らない小屋に宿泊中のハイカーさんで悪気は一切ありません。小屋に戻ってそのこと伝えた時の休む気満々だった人達のがっかりした顔と、それを見た女性のこの一言。

「求めてる世界が違うわ・・・」
自分でもなにを求めてるのか時々わからなくなるんです。(とは言わない)

気を取り直してパンとカップ麺を調達。将監小屋で水を入れておいたアルファ米で遅めの晩ごはんを食べたら温まって人心地ついた。

時刻は22時20分で予定より1時間早いペース。今回は完走が目標ですが、できることなら明日中に帰れるのがベスト。そのためには初日で最低でも甲武信小屋、理想を言えばCP3大垂水小屋までは行っておきたい。どこまで行くかは体調見ながら考えることにして、雁坂小屋はとりあえず出発。

CP2雁坂小屋 ~ 甲武信小屋

出てしばらく行くと雁坂峠。昨年11月に試走をしていて、ここでタイムオーバーになり山を下りたのが懐かしい。もし左足の具合が悪かったらここで山を下りようと思っていたので自分にとってここが中止か継続の分水嶺。いまのところ何も問題ないのでゴール目指して先へ。

ところがここから雲行きが怪しくなってきます。尾根の岩を進む道がとにかくわかりづらく、雨風も強くてガクンとペースダウン。そこにきて腹を満たしたことによる眠気のWパンチで全然ペースが上がらない。

ウツラウツラしながら破風山避難小屋。過去に大会中ここを使った選手が騒いだとかで一切の使用禁止。疲労も眠気もピークの時に現れる避難小屋が使えないツラさといったら・・・誰だよ騒いだヤツとグチりながら通過。

甲武信小屋

ようやくたどり着いた甲武信小屋は予定よりも10分遅れのAM2時。

雁坂小屋~甲武信小屋でこれまであった60分の貯金をすべて使い果たしているので、これ以上進むのは効率が悪すぎる。1日目はここで休むことにして雨の降るなかツェルトを張る場所選び。テン場は上から水が流れてきていて張る場所を間違えると悲惨なことになる予感。見るとぺっちゃんこになったストックシェルター(中で人寝てます。。)もあって気の毒でしかない。多少重くなるけど快適性重視のドームシェルターにしたのは正解か。どうか明日の朝を無事迎えられますように・・・。

分水嶺トレイル2019 縦走レポ<2日目>

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