前回の続き
カウトダウンからのスタート!
くねくね曲がりくねった湖畔を抜け、街灯の少ない田舎道にヘッドライトの光が並びます。道は緩やかに上っていて、すぐ前には丹羽さんの姿。これはさすがに突っ込みすぎたかと不安になりましたが、ムリなペースではなかったのでここは落とさずそのまま前へ。
ちらほら落ちてくるランナーを拾いながら進んでいるとトレイルのスタート。
頑張り過ぎて動けなくなるハセツネパターンに気をつけながらも攻めの姿勢で上っていました。すると後ろから日本語でおしゃべりしながらぐんぐん近づいてくる選手。まるでハイキングをしているかのような余裕に、明らかな実力の違いを感じて迷わず道を譲ります。抜かされた相手の横顔を見たら井原さんだったという、、そりゃ早い(笑 井原さんのPodcast番組のことなどを少し話して見送ります。猛烈な急登でしたが、丸太のようにがっしりした足であっという間に消え去っていった。
そんなに軽々とはいかないまでもこちらもまだ序盤。ここで足が止まるなんてこともなく最初の急登はあっさりクリア。一気に1,000mも上げたのでさすがに肌寒く、雲の中に入ったのかヘッドライトで照らす視界は真っ白。ここでは3人で走っていたんですが、先頭が道を間違えるたびに「Lost!」と叫び皆で正規ルートを探す協力プレイw
台湾の山は道がわかりづらいと聞いていましたが、実際に来てみて納得。木の数がとにかく多くうっそうとしていて、その木と木の間に何となく道(というか踏み跡)がある感じ。大会側がこまめにテープをつけてくれているので進むべき方向はわかるんです。ただ、そこに行くまでの道(というか踏み跡)が木々の隙間を縫うようにしてあるだけなのでわかりづらいのなんの。見方を変えればテープさえ見失わなければその間はどう行っても良かったりもするんですが。
今回レース中に一度たりともハイカーとすれ違わなかったので、台湾では登山という習慣があまりない??日本の山がいかに整備されているかがよくわかりました。
夜が明けて朝日がさす頃、前方から折り返してくる選手とすれ違います。小川壮太さんの走りを目の前で見たり、井原さんとはハイタッチしたりとプロとの距離がすごく近い。こんな狭い道をすれ違うので当然ですが。
予定していたよりも10分早くCP:A到着。思ってたより気温が低いのでハイドレーションは空にしてボトルだけでいくことに。南国だけにいろいろなフルーツが並んでいましたが、とりあえずバナナを1本だけ腹に入れて出発。
ここからは道もわかりやすいので完全に自分のペース。折り返してくる選手に道をゆずりつつ数をカウントしていましたが、だいたい20人ぐらい。104kmと64kmの選手が一緒に走っているので正確にはわかりませんが、今のところ10番台に入れているのかな??山のレースで選手同士がすれ違うなんて今回初めてですが、これがなかなか怖い。一応お互いに譲り合いはするものの、相手が下りで勢いついてる時の恐怖たるや・・・改めてハイカーとすれ違う時は歩くべしと実感しました。
折り返し点では通過の目印をつけてもらいます。
再び CP:Aに戻ってきましたが、今回は何も補給せずにノンストップで通過。ちょうどボリュームゾーンの選手たちと重なりエイドステーションは賑わっています。
ここからはしばらく平和な尾根道。
前にも後ろにも誰もいない静かな山道を一人坦々と走っているこの時間が好き。日本の山と似ているので奥多摩にいるような気になります。道は相変わらず分かりづらいのでマーカーだけは見失わないように。
CP:Bに到着するとけっこう人がいたけど、彼らは45kmの選手たち。ここで日本人数名と会いましたが、一人はすでに上りで力が入らない状態らしくゆっくり行くと。彼は最後まで行けたかな。
茶畑に囲まれた爽快な尾根道。遮るものがまったくないので日差しがキツかった。。
足も体も絶好調!ここからひたすら下ればちょうど中間点のCP:C。そして本当にキツイのはそこからなのでここでへばってはいられません!
バナナの木々に囲まれた南国らしい景色の中を駆け下りる。
延々と続くロードの下りなので重力まかせで足になるべく負担をかけないように走っていると、後ろから近づいてくる足音。茶畑を走ってる時からたまに後ろは気にしていたけど、まったく人の気配がなかったのに。一気に差をつめるなんて只者ではないと思って手を振って譲る合図したら横に並ばれ話しかけられます。小柄な日本人女性で余裕の感じで下りながらしばしトレラン談義。今年のUTMFを走ったと言うので互いのレース話で盛り上がっていたんですが、どうも相手の話している内容が自分のソレとは違うんですよね・・・。たまに「入賞」なんてワードが出てくるものだから、恐る恐るお名前を尋ねたら素敵な笑顔で「星野です」て・・・
「!!??」
星野由香里さんは今年のUTMF女子4位・・・オレのバカ!
一気に気後れしてしまいましたが、気にせず気さくに話してくれる星野さん。そこから互いの練習話や星野さんが走ったレースの話なんか聞きながら下っていたらさくっとCP:C到着。どういうわけか前を走る形になってしまい実力以上で頑張ってしまう辺りが自分らしいw
エイドは自分含めて3人しかいなくて閑散としてました。ビブ見てすぐにドロップバッグを用意してくれたりとすごくスムーズ。大慌てで補給食を入れ替えたりハンドライトを入れたりバタバタしてる自分と比べ、星野さんのまあ落ち着いていること。淡々と作業する姿にプロを見ました。あとは水を入れたら完了というところで、先に準備を終えた星野さんが待っていてくれそうな雰囲気だったので先に行ってくださいと促します。
だって、、こんな急登でついて行こうものなら150%潰れるでしょ。。
この先の大ボスに備えてVESPAをチャージ。斎藤さん、オラに力を!
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