【その3】第25回ハセツネレースレポ
爆走金毘羅尾根!

前回の続き

霧は一層濃くなりまっすぐ下る道は終わりがまったく見えません。月夜見を出てすぐの果てしなく下りていくこの感じがけっこう好きだったりもして。いつもなら前方に人の気配を感じるのですが、今日は霧が深すぎて前も後ろも誰もいない。

わかりづらい分岐

そして下りきった先の分岐はどっちだったか記憶があいまいで立ち止まる。左手前方にうっすらライトの光が見えたのでそちらに進みかけますが、たしか御前山は分岐を上に向かう道だったはず・・・少しだけ坂を上がってみると、霧のなかにかろうじて見える赤の点滅灯。あわてて左手の道に向かって大声で呼び戻しますが、真っ暗に静まり返っていて時既に遅し。小河内峠の分岐(三叉路)でしたが、ここは人を立たせるか看板立てるなど目印があってもいいような。そこも含めての山岳レースという見方もできるけど、まったく試走せずにノリで出てみたという人は確実に間違える気がする・・・。

御前山

御前山山頂への上りも深い深い霧の中。膝に手をつきながら一歩一歩上を目指しているとスタッフの山頂を告げる声。先が見通せないから足元を見るしかなくて、それがかえって気分的には楽だったかも。
ここまでベンチで横になって眠る人、木の根元に座り込む人などを目にするのが当たり前になってくる。自分がなんで動けなくなった原因はわからずじまいですが、今こうして走れていることを思うと序盤に潰れておいて良かったと思うべきなのか。内蔵はピンピンしてるし、疲労はあれども攣りの兆候はまったく見られないのはまだ足が残ってる証拠。目標にしていた11時間はムリだとしても、この調子なら12時間切りは狙えるか。

御前山の山頂手前から雨がぱらついてたので、用心して下ります。
ここから大ダワまではいい感じのペースで走る人に追従してました。時々滑りやすいところがあると、振り返ってこちらに教えてくれる仏のようなお方。ところが、その彼が何かつまづいたらしく豪快にダイビングヘッド。滑落は避けられましたが、胸を打った時の

「グェ!」

といううめき声が聞こえ慌てて駆け寄ります。幸い大事には至らなかったようでよかった。ボトルを胸に挿してる人が転倒すると胸骨にダメージを受け、それ以来ソフトボトルに変更するなんて話しを聞いたことがありますが、自分の場合は左右の胸にカメラ・・・入れる場所考えた方がいいのかも。

順調に下りて大ダワ到着と。残すはラスボス大岳山!

ここで腰ライトの電池交換をするか迷いましたが、時間が惜しくてこのままゴールまで行くことに。この霧でヘッドライトはほとんど使っていないので、第3CPから全開モードにしてもゴールまでの1時間半なら持つ計算。
Naoの爆光で金毘羅尾根、やばいワクワクしてきた!

大岳山


昨年は水切れでフラフラになりながら上った大岳山ですが、今回はポカリも水も十分残しているのでそれほど苦でもなく。タラウマラ族の彼女はあの服装なのでここは苦戦するだろうなあなんて考え事をしながら両手両足を使いながらよじ登っていたら、岩に頭を打ちつけ悶絶。毎度ここ来る度にぶつけてる、、もはや山頂が近い合図だと思うことにしよう。
武尊山のゲレンデ直登を思えば奥多摩三山くらいなんのその!ここまでくれば残るはお待ちかねの金毘羅尾根のみ。

その前に水場でボトルに冷たい水を満たし、ハイドレーションに残った水は口に含んですべて吐き出して空っぽに。金比羅尾根に備えて1gでも軽くする作戦です。フラスコのジェルを飲み干して準備万端。
予想外だったのがこの霧で、御岳山を過ぎても晴れないなんてことはこれまでありません。これは金毘羅尾根も視界悪いか。

賑やかな歓声が聞こえてきて第3CPが見えてきた!

第三関門(長尾平売店前):10時間20分

ここまでほとんど足を止めてこなかったので(あの20分を除けば・・・)だいぶ挽回することができた。ここからゴールまでは2年前の1時間25分が最速だけど、今ならそれを更新できる気がする。行っとくかファイナルラン!

金比羅尾根


日の出山からの細かなピッチの階段を悶々としながら駆け下りればそこからは一気に開放!ここからゴールまでの10kmは気持ちよくかっ飛びました。あそこでリタイアしなくてホント良かったなんてことを思いながら前のランナーを次々にパス。2年前はここで40人抜きしましたが、今回はそれを上回るペース。それなのに思ったよりも前にランナーが少ないのはみんなもうゴールしちゃったということか。。少々凹みつつも余計なことは考えまい、今は1秒でも早くゴールゲートをくぐることに集中集中。

残り2kmの看板通過。
この辺で毎回ラストスパートするランナーがちらほら見られるのですが、今回は皆無で後ろは真暗闇。金比羅尾根で誰からも抜かされない展開は最高の終わり方。

寝静まった市街地に入ればゴールはもうすぐ。

FINISH:11時間39分

2年前の自己ベスト11時間35分には届きませんでしたが、ここまで挽回できれば大満足。順位が110番台だったのには驚きました。2年前はほぼ同じタイムで280番台なので、今年はそれだけ過酷なレース環境だったということなんでしょう。個人的には霧で視界は悪いものの終始気持ちよく走れていたのでそんなにハードな環境だったとは思いませんが?(← おまいうw)

後日公開されたリザルトを見ると、自分より順位が上の選手で各関門の通過タイムが自分よりも遅い人は皆無でした。それは第一関門以降ゴールまで誰からも抜かされてないということ。実際は2~3人抜かれた気がするんですが、記録に無いってことはDNFしたか抜き返したか。もっとも、同じぐらいの走力の人が第一関門を3時間56分で通過すれば誰だってこういう結果になる気はしますけどね。今回最も達成感を感じているのが第三関門からゴールまでの区間タイム。1時間19分は2年前より5分短縮。ここだけ見ればサブ10ランナーの記録にかろうじて肩を並べてる。ここだけね。

レース後

ゴール後、いつもこのブログにコメントをくれるじゅんさんに声をかけていただきました。互いにグランドスラムを目指して今年達成した者同士。っが、今日の完走タイムは9時間台でTJARの王者望月さんより早い・・・次元が違いすぎる。。こちらも何年かかるかわかりませんが、目指しますよサブ10!(今度引いてくださいw)

豚汁を飲みに向かうと、一緒にスタートしたHさんとハセツネのいろはを教えてくれたJさんがお出迎え。Hさんはてっきり11時間切りかと思いきや途中でつぶれてしまったんだとか。それでも初ハセツネであっさり11時間半切りとは恐ろしや。先行したKさんは水切れで走れなくなり、戻ってきたのはもうしばらく後。今年のハセツネは例年にはない完走率の低さで、多くのランナーが苦戦を強いられたようです。かくいうワタシも20分ほど。

色々ありましたが、終わってみるとやっぱり楽しかったなと思えるのがハセツネの魅力。Kさん達との試走に始まり、装備からペース配分に至るまでそのすべてが面白かった。レース後、互いにキツかったパートを語り合うのも楽しみの一つで、走った人それぞれにドラマがある。

来年もハセツネを走ろう。

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8 件のコメント

  • コーヘイさん、お疲れ様でした!
    上州武尊の2週間後にハセツネ参戦とは。。
    ゴール地点で応援していたら、ひときわ切れ味の良いスパートをするランナーに目を引かれ。
    おお〜、いいラストスパートだな。…ん、MMAのノースリにルーファス8?コーヘイさんに違いない!と思わず声を掛けてしまいました(^^;
    ゴール後の慌ただしいタイミングにすみませんでした。ハセツネ、終わってみればキツくて楽しくて、ですね。
    まずはゆっくり疲れを抜いて下さい。
    時折、仕事場から近い皇居でポイント練習をしていますので、タイミングがあえばご一緒させて下さい。
    改めてお疲れさまでした!

    • じゅんさん

      ハセツネお疲れ様でした、そしてサブ10達成おめでとうございます!
      まさか服装で気づいていただけるとは、こちらもじゅんさんにお会いできてよかったです。わざわざお声掛けいただきありがとうございました^^

      皇居走られているのですね、こちらこそぜひご一緒させてください。ポイント練習する時は東宮御所や外苑も走ってますので。次はお互いサブ50、じゅんさんなら近いうちに達成してしまうのではないでしょうか。私は、、今だとサブ3すら怪しいのでまだまだ先の話しになりそうです(笑

  • 例の分岐で左側に進んでしまったのは私です!!
    右側はコース脇に座り込んでる人がいたので、不思議とその人を避けようと左に舵を切ってしまいました。今年は4回も試走してるのに、ライトを失い前が見えないとパニックになってロストしちゃうんですね。
    ライトといいロストといい、私の失態の全てをお見せしちゃった様です。まともに走れたのは金比羅尾根の後半のみ、ゴールタイムは12時間5分でした。ライトがあったら良い勝負できたかもしれませんね〜。これを機に、宜しくお願い致します(笑)

    • H.Tashiroさん

      なんと!
      ハンドライトはこちらで回収できましたが、ロストは力が及ばずかたじけない!w
      4回試走されたTashiroさんですらロストしてしまうぐらいの霧の濃さ。私も一人で走っている時はこの道であってたっけと何度も不安になっていまして、今年の視界不良は相当でしたね。
      ハンドライト無し&道ロストで12時間5分でしたらほとんど変わらないと思います。こちらこそ、ハセツネorどこかの大会でお会いできることを楽しみにしてます^^

  • 見事な完走!おめでとうございます(^O^)/

    グランドスラムを達成されてる方だから当然かもしれませんが、
    武尊を経験されてさらに強くなられたのではと感じます。
    お疲れ様でした!

    ハセツネはレース渋滞&遠い&超クリック合戦(汗)なので、
    地方から行くのはハードル高いのですが……。
    レポートを拝読して1回は挑戦してみたいと思うようになってきました^^

    • きじすけさん

      ありがとうございます!
      たしかに武尊の経験があったからこその今回の結果かもしれません。どちらも思い通りには運べませんでしたが、そこでポッキリ折れないメンタルを今年は得られたかなと。

      地方からだとハセツネはハードル高いですよね・・・車止めるのだって一苦労ですし。ただ、他のどんなレースにもない魅力があるのもまた事実。距離だけ見たら武尊の方がハードですが、水切れの恐怖or水切れの苦しみを味わうとハセツネも引けを取らない気も。武尊と違って限界まで攻めてしまうことも要因だとは思いますが。
      もし機会があれば、きじすけさんもぜひ!たしか来年は武尊でしたっけ?両方は・・・オススメしません(笑

  • 初めまして
    いつもブログ拝見し、参考にさせてもらっています。
    ハセツネリタイア寸前からの復活劇、すごいですねー。

    私は2013年に1度リタイヤしましたが、応援のお陰?で、浅間峠ではできずに、だらだらと数馬峠までいってしまいました。

    コーヘイさんの走力なら、サブ10達成はコンディション(外的な)の問題だと思います。是非来年こそ❗

    私は今年はクリック失敗でしたが、来年は30k経由の優先エントリーを目指したいとおもいます。やっぱりハセツネって他と違う魅力がありますね。

    • カレーライスさん

      コメントありがとうございます。
      いやはや今回は自分でもなぜ復活したのか(なぜ潰れたのか・・・)謎でして。ただ、一度リタイアを決意した後で復活すると、そこから先は本来なかったオマケのような感覚でした。この気楽な感じで走れたのがプラスに働いたのかもしれません。レースは奥深い(笑

      クリック合戦熾烈ですよね。それだけ多くの人がこのレースに魅力を感じているということ。私は幸いにも3年連続勝ち抜くことができていますが、30k経由が間違いありません。カレーライスさんも来年はぜひ本戦へ!

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