前回の続き
三頭山からの下りはいつも湿ってて滑りやすいんですが、今日は霧もなく安定して下っていける。それにしても今自分はどれぐらいの順位なんだろう。浅間峠を過ぎてからは一人で走ってることが多かったのでボリュームゾーンからは抜けてると思うけど皆目見当がつかない。先日のトレニックワールド外秩父と違ってハセツネは日本中からトレイルランナーが集まる天下一武道会。上位は当然ムリとしても、あわよくば二桁でFINISHできたらいいなぐらいに考えていました。
第二関門(月夜見):6時間26分
第一関門からここまで3時間9分と目標の3時間から9分遅れ。この区間は試走回数も少なく、どこで攻めてどこで抑えるかがよく把握できてない結果。ただ、水も残っていてこの気温を考えるとこれが今の実力なんだと思います。しっかり攻略すれば9分は縮められる気がする。
月夜見に入ったらやることを何度も頭の中で反芻しながら走っていたのでエイドに入ってからはすごくスムーズ。
・ハイドレーションに水1.3L入れて、ポカリ0.2Lをその場で飲む!
・ランパンの腰ポケットからジェルのゴミを出して、ゴールまでのジェルを4本入れる!
それにしてもこんなにガランとした月夜見は初めてで、ブルーシートに座って休んでる人が1人いるだけ。一連の作業を3分ほどで終えてエイドを飛び出すと、遅れまいと先に入ってた選手2人が追従。オォ、、なんかハセツネDVDみたいな展開で燃えてくる!
残念ながらここからの果てしない下りで抜かされてしまい。鞘口峠へ下ってる時から感じていたんですが、下りで抜かされることが増えてきてて少しづつ疲労が出始めている。幸い上る力は残っていたので御前山までに抜き返すんですが。この先はゴールまで下り基調、、どうなるかな。
御前山:7時間24分
山頂は冷たい風が吹いてて長居は無用、ノンストップで大ダワへ。
ここからの下りもやはり遅れをとってしまい、後を追うんですがどんどん離される。左足の付け根に疲労がたまってて下るときの衝撃に耐えられない感じ。上りや下りで左足から入るクセがありまして・・・こういうのも改善の余地あり。
大ダワを7時間55分で通過。VESPAをチャージしてラスボス戦に備えます。
大岳山の急登に入るとガスが出てきてさらに気温が下がり。元気だとペースアップできたりするんですが、心拍数が上げられず寒さを感じてました。いよいよ終わりは近い。
ペースダウンすると決まって忍び寄ってくるのが眠気。それだけは避けようと誰もいないのをいいことに鼻歌交じりで走ってました。曲はなぜかTMネットワークのGETWILD(古!) 会場へ向かう車のなかでラジオをかけていたらこの曲が流れてて、レース中の頭の中で無限ループ。アスファルトは皆無だけど、暗闇走り抜けるなんてくだりはぴったりじゃないのw
大岳山:8時間41分
ようやく奥多摩三山すべてクリア。この急登で左モモが攣る寸前になっていて完全に足は売り切れ。水もジェルもしっかり補給してこの状態なので、あとはゴールまでいかに潰れず走り切るか。11時間切りも怪しくなってきた。
御岳神社手前の水場でソフトボトルに満たします。ほとんど汗をかかなくなっているので不要かとも思いましたが、何が起こるかわからないので念のため。
第三関門(御岳山):9時間16分
ここの応援は毎年力をもらえてありがたい。見通しのいい微妙な上りでだいぶ手前から応援してくれるものだから半ば強制的に走らされてシンドかったりもして。別に走らなきゃいいんですが、応援されちゃうとついねw
元気ならここからゴールまで90分が目安なのでサブ11には十分間に合う。ただ今の足の状態だと金毘羅尾根をかっ飛ばすことはできないのでギリギリになりそうな。泣いても笑っても最後だし、潰れたら歩けばいいやとすべて出し切る気持ちでいざ金毘羅尾根。
御岳神社の商店街で応援された時に「43位だよ、頑張れ!」って。
なんですと!!!???
100~200の間ぐらいかなと思っていたのでこれにはぶったまげ。50位以内ってリザルトの1ページ目に自分の名前が載っちゃうてこと??俄然やる気が湧いてきた!
日の出山からの絶景を目の隅でちら見しながら足は止めずゴール目指してまっしぐら。
ゆるい上りでは可能な限り走り、着地の度に股関節にはしる衝撃にたえつつとにかく先へ先へ。時々後ろを気にしているとライトが近づいてきて抜かされ。レース中に金毘羅尾根で抜かされることってほとんどなかったんですが、この場面でそのスピードは完全に力の差を見せつけられた。これぐらいの順位で走る人たちはやっぱ強いわ。
5~6人に追い越され、1人だけ抜いたかな。金毘羅尾根でこんなに背後を気にしながら走ったのは初・・・もっと練習して前だけ見て走れるようになろ。
FINISH:10時間45分
順位は47位でなんとか50番以内を死守!
いやー楽しかった!
レースを振り返って
目標だったサブ10には遠く及ばない結果でしたが、今日の厳しい環境を思えば自分のベストは尽くせた気がしています。
日付が変わる前に戻ってこれたのがなんか嬉しい。
事前に組んだレースプランと実際のタイム一覧。
場所 | 目標 | 実際 | 差 |
---|---|---|---|
今熊神社 | 20分 | 19分 | -1分 |
入山峠 | 50分 | 54分 | +4分 |
醍醐丸 | 2時間 | 2時間15分 | +15分 |
第一関門(浅間峠) | 3時間 | 3時間17分 | +17分 |
三頭山 | – | 5時間33分 | – |
第二関門(月夜見) | 6時間 | 6時間26分 | +26分 |
御前山 | 7時間 | 7時間24分 | +24分 |
大岳山 | 8時間 | 8時間41分 | +41分 |
第三関門(御岳山) | 8時間30分 | 9時間16分 | +46分 |
FINISH | 9時間59分 | 10時間45分 | +45分 |
こうしてみると御前山~大岳山間で完全に失速しているのが一目瞭然。それと金毘羅尾根はあのペースでオンタイムとは意外だなと。来年に向けてどこを強化するべきかが見えてきた。
今年のハセツネは完走率66%と異様なほどの低さ。ちょうど今年のSPAトレイルも暑さで同じぐらいの完走率ですが、その意味は全然違うんです。ハセツネって上位になるほど自分を限界まで追い込んでの結果重視。そういう人は完走なんてはなから考えていないのでダメとなったらあっさり浅間峠で下りる人も多いんです。だから結果として50番以内に入れたことは嬉しい半面、上位選手がDNFした棚ぼたと考えてるので素直に喜べなかったりもして。レースはそうした過酷な環境も含めて競うものなので最後まで生き残ったことは今後の自信につながりましたが、本音言うともう少し多くの選手が力を出し切ったレースで結果を残したいなと。友人知人が次々にDNFしていく姿はやっぱ見ててつらいですから。
ゴール後に味噌汁を食べながら同じぐらいのタイムだった人と話をしたんですが、やはり昨年と今年は暑さでタイムを落としているそうな。それ以前はずっとサブ10してるということなので、条件さえあえば自分も???
来年は11月開催ということなので可能性は十分。
ハセツネサブ10は来年の楽しみにします!
ハセツネお疲れ様でした。
そして上位でのゴールおめでとうございます。
いつもながら、ハードな展開を迎えてもゴールまで諦めない走りに、感服させられ、そして自分のヤル気を刺激されまくってます。
ハセツネ、、、自分にとっては、天下一武道会どころか、もはやスーパーサイヤ人ブルーレベルの力の大会級です。
kooheyさんのように自分も山を自由に走り回れるように、近場の山で鍛錬したいと思います。
まずはトレラングッズ揃えるところから、、、
過去レポでギアの勉強させていただきます。
今後の益々のご活躍、楽しみにしてます!
ジム改さん
ありがとうございます。
なんだかんだで無事完走することができました。過酷であればあるほど燃えてしまうたちなので大きなケガなどしないといいのですが・・・。
私もトレラン始めたのはサブ4したぐらいから。ジム改さんはチャレンジ富士五湖も走られているのできっと山も楽しめると思います。難しく考えずにまずは手軽に登れる山を早歩きするぐらいの気持ちではじめてみてください。自然の中を駆ける爽快感を味わうときっと病みつきになるはず^^
Kooheyさん
自己ベストおめでとうございます!
めちゃくちゃキツかったですね
このコンディションでの記録と順位は
本当にすごいと思います!
自分も序盤で気持ち悪くなってしまい、
気温が下がって復活するまでかなり苦しみました。。
それでも、終わってみればなんだかんだ楽しかった
と思うあたり、だいぶハセツネ沼にハマってきてます笑
今後もブログ楽しみにしてます!
クドーちゃん
ありがとうございます、クドーちゃんもお疲れさまでした!
いつもながら安定した走りだと思って見てましたがそんなことがあったんですね。。(去年のグロッキー状態わかってくれた?)
今年のハセツネはそれぞれに苦労があったようで。
言うとおりこの沼にはとうぶん底があるとは思えないw
一緒にとことんまでハマり続けましょう!また練習でヨロシク!