アシックスの名作NEWYORKと、同社の新素材であるFlyteFoamを使ったDynaFlyte。どちらも評価は高くそれぞれに特徴のあるシューズ。今回はフルマラソンで4時間切りを狙う場合はどっちが適しているかという観点で比較してみました。
特徴比較
NEWYORK5の特徴
「足への負担を軽減」 するための機能を搭載 ガイダンスライン構造により「スムーズな重心移動」をアシスト
フルイドライドやガイダンスライン、ヒールクラッチングシステムなど足を守り快適な走行をサポートする機能が充実。ダイナミックデュオマックスを搭載し、ランニング障害の一因であるオーバープロネーションを制御。
NEWYORKの一番の売りは優れた安定性。ヒールカウンターを覆うように樹脂製パーツが装備されているおかげで過度な倒れ込みを抑制。
ガイダンストラスティックはシューズの外側や内側へのねじれを防いで安定性を向上。
分厚いカカトは地面からの突き上げを抑えてくれます。
DynaFlyte2の特徴
アッパーに新たなメッシュ素材「AdaptMesh(アダプトメッシュ)」を搭載。
スピードや軽量性、クッション性を求めるランナー向けです。初代モデルの高いクッション性を維持しながら、さらなる軽量化を実現しています。アッパー(甲被)は新技術を盛り込んだ軽量の「AdaptMesh(アダプトメッシュ)」を当社商品ではじめて搭載しています。ボーダー調に編み込んでおり、シームレスで通気性に優れ、柔軟性が高いため走行時に気になるしわが発生しにくく、足の動きにしっかりフィットします。履き心地の良さに加え、デザインも刷新しました。
ソールに採用されたFlyteFoamは従来のミッド ソール素材EVAよりも約55%軽量。素材に添加した繊維でアシストすることで優れたクッション性と耐久性を発揮します。
AdaptMesh(アダプトメッシュ)の採用でフィット性と通気性が向上。
スペック比較
NEWYORK5 | DynaFlyte2 | |
アッパー素材 | 本体=合成繊維製(ラッセル構造) 補強=人工皮革製 |
本体=合成繊維製(ラッセル構造) 補強=人工皮革製 |
アウター素材 | ゴム底 | ゴム底 |
インナーソール | 取り替え式 | 取り替え式 |
生産国 | ベトナム | ベトナム |
重量 | 286g ※サイズ25.5cm | 235g ※サイズ25.5cm |
厚さ | 前足部:2.2cm 後足部:4.0cm ヒールカウンター:7.2cm |
前足部:2.0cm 後足部:3.2cm ヒールカウンター:7.1cm |
スペック表を見てもわかるとおり、大きな違いはその重量。NEWYORK5の286gに対してDynaFlyte2は235gで同サイズながら51gとその差は一目瞭然。
NEWYORKには足を守るための装備が盛りだくさん。カカトの厚さだってこんなに違いますから。これが走った時にどう影響するか。
走行比較
まず足を入れてわかるのがNEWYORK5はカカトがしっかり固定されるのに対して、DynaFlyte2はソフト。そしてDynaFlyte2のAdaptMesh(アダプトメッシュ)は確実に通気性がいい。DynaFlyte同士で新旧比較した時はその違いがわかりませんでしたが、NEWYORK5と比較するとDynaFlyate2の方が断然スースーする。
そして走ってみると両者は明らかな違いが。そもそも50g違うので否が応でも重さの違いを実感できます。ジョグペースペースだとそれほどでもありませんが、ピッチを上げようとするとNEWYORK5は正直キツイ。km/4:00まで上げてみましたが、蹴るというより分厚いソールの跳ね返りで走ってる感じ。それとカカトの厚みが走りにもろ影響を与えていて、NEWYORK5は着地時の突き上げをかなり緩和してくれる代わりに、接地から蹴り出しまでがもっさりした印象。対してDynaFlyte2は軽快にキビキビと動きます。その分着地の衝撃は強くなりますが、サブ4目指す人ならおそらく許容範囲内と思われ。
NEWYORK5がもっさりした印象なのは履き心地も影響していて、ヒールカウンター部分を覆う樹脂パーツは足を守ってくれる反面、カカト部分に他のシューズにはない圧迫感があるのも事実。これ、しっかりカカトを入れないと痛くなったりしますので。また、アッパー素材が全体的に分厚いのでフィット感があまりなく、ダイレクトに力が伝わらない感じ。
km/4:15で1km走った時の歩幅とピッチです。
-NEWYORK5-
-DynaFlyte2-
ほとんど差はありませんが、実際はDynaFlyate2の方が楽にペース維持できています。若干NEWYORK5の方が歩幅が広いのは、バイーンバイーンと跳ね返りを感じるのでその効果?
結論
まあやる前からなんとなくわかっちゃいましたが、サブ4狙いならDynaFlyte2がベスト。軽さとクッション性のバランスが良く、フルの後半30km以降でその差はさらに出るでしょう。4時間狙いのランナーはそれなりに足ができているでしょうから、本番では安定性よりもパフォーマンスを求めた方が結果につながりやすい。今回のサブ4に最適なシューズという比較はDynaFltye2の圧勝です。
NEWYORK5はもう少し足に不安のあるランナー(フルマラソン完走~4時間半ぐらい)に合っていると思います。この場合、練習も本番も同じシューズにした方がよく、NEWYORKのサポート機能を存分に使うのがオススメ。ちなみに私が初サブ4した時は練習でNEWYORK、本番ではゲルフェザーグライドを使ってました。今ならDynaFlyte2が最適なシューズだと思います。
余談ですが、私が今回比較した2足でよく使っているのはNEWYORK5の方なんです。練習ではケガをしないことが最重要。それとターサーなどのレーシングモデルを使っていると、NEWYORKの安定性と重さはとても重宝するんです。NEWYORK履いて坂道や階段ダッシュしたり、ひたすらピッチを上げたり。サブ4を狙うならそこまでする必要はありませんが、サブ3.5やサブ3を狙うならNEWYORKはそんな使い方もできますので。
今回比較した2足はそれぞれに特徴があるので、レベルや目的に応じて使い分けるのが吉。
よければそれぞれのレビューも参考までに。
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