第9回美ヶ原トレイルラン レースレポ<その2>

前回の続き


スタート

爆音でHi-STANDARDが流れるなかをスタートはさすが山奥のゲレンデ。ひっそりスタートするSPAトレイル(早朝の温泉街で大きな音が出せない)とはえらい違い。

いきなりゲレンデを4km駆け上がるハードな始まり。足がピンピンしてるだけにここは意識して抑えないと無駄に消耗してしまう。

振り返ると光が列をなす幻想的な光景。

マイペースマイペースと暗唱しながら上っていたんですが、周りはどんどん歩きに切り替えていたので次々と抜かす展開。最近ジム練を再開して追い込んできたので坂道耐性には自信もってます。この展開は嬉しい成果と割り切って周りに合わせず前へ。徐々に辺りが明るくなってきたので、早めにライトをしまっていつでも走れる状態に。前方をざっと数えると30人くらいで、早すぎず遅すぎないベストポジション。

ようやく頂上というところで追いついた、見覚えのある後ろ姿は星野さん。ご挨拶したらこのコースのアドバイスをいただく。いわく、美ヶ原は走れるすごくいいコースで肝は40kmからの上りだそう。その区間を走れるかどうかで結果は全然違ってくると。そんな話しをしつつ体が軽かったので勢い星野さんの前へ出てしまうんですが、考え直してやっぱ後ろにつかせてもらう。ついさっき「突っ込みすぎない、競わない、40kmまで抑えて走る」と胸に刻んだばかりであっぶね。

雲は多いけど時々顔を出す朝日をあびながら尾根道をゆく。

尾根道が終わると林道を6km下るボーナスゾーンですが、この路面が土なもんだからとにかく滑る滑る。そして目を見張ったのが前を行く星野さんの安定感ある走り。同じような速度でほぼ同じ場所に着地してるのになんで滑らない??こちらは人が踏んでない草部分を選んでどうにかついていってましたが、星野さんはマッドをものともしない。おそらく腰や重心なんだと思うけど真相わからず。もしかしてALTRAのシューズ!?w

砂利道に変わりようやく落ち着いた。淡々と進む星野さんの後ろを自分含め4~5人のグループになって走ってましたが、息は上がらず暑さもたいして感じない心地よさ。ロングはこのペースなのかと今更ながらこれまでの自分を猛省してましたが、このペースだもんで横を一人、また一人と他の選手が抜き去っていく。どうせ4時間くらいしたら追いつくんだろうなーぐらいに見送っていたんですが、次から次へに抜き去られ続けるとムラムラが抑えられなくなってしまい・・・飛び出しちゃった。

これも昨年のフォルモサトレイルで、丹羽さんから聞いた話し。
「オトコの人はワンコと同じでゲートが開くと周りに合わせてついてっちゃう」
ハイ、、もうおっしゃる通り。ロングを走る度に女性は強いと感じますが、オトコはペース管理がへたくそなんじゃないかというのもある気がする。

FormosaTrail 2018レースレポ <その3>

さっきよりもほんの少しペースが上がっただけなのに体が火照って汗が吹き出したので慌ててセーブ。今日は80kmだし多少はムリしても(たぶん)大丈夫と言い聞かせる。こういうところがプロ100マイラーとアマチュアの違いなんでしょうよ。。今回はどこまで星野さんの前を走っていられるか。

A1 和田峠


ここは減った水分を補充するだけですぐに出る。こないだのトレニックワールドではエイド滞在時間を1秒でも削ろうと意識してましたが、結果的に潰れてしまうとそれすらも要因だったんじゃないかと感じてしまい。なので今日はダラダラはしないけど急ぎすぎない程度。特に固形物を入れるときはよく咀嚼して胃にやさしく。

標高2,000mの尾根は晴れていれば絶景なんでしょうけど、今日は霧で何も見えません。雨が降ってなかったのは幸いだけど、下からの強風で一気に体温を奪われそうだったので慌ててレインウェアを羽織る。腹冷えにめっぽう弱くすぐ下す体質だとこういう場面で本能的にアラート発動。転ばぬ先の杖は大事です。

前の選手を数人かわすと誰も見えなくなって一人旅。コース上には蛍光ピンクのテープが目印に使われてるので迷うことはほぼないんですが、この尾根道は草木がほとんどなくてとにかくわかりづらい。なんとなく道っぽいところを下ったら道ではなかったというのを2回ほどやらかし、そのたびに後続選手に追いつかれる。さすがに効率悪すぎるので他の選手と協力プレーに変更しました。

先の見えない牧場ではこの道でホントにあってんの?と何度不安になったことか。

A2 山本小屋


霧の中のオアシス到着。気温は低かったんですが湿度が高くそれなりに発汗してたので梅干しを3個とバナナでエネルギー補給。ここを出てすぐの計測で順位を聞いたら30番いかないぐらい。これぐらいのペースで後半ひろう展開が一番うまくいくパターンなので順調順調。

ここから10km以上の長い下り。

ひたすら林道を下るものかと思っていたらこんな植林帯や。

マーキング見失ったらコースロスト間違い無しのバリエーションルートなど。

標高が下がるにつれてぐんぐん気温が上がって暑くなってくる。この区間は走り続けられちゃうだけにけっこう疲労が蓄積されてて、下りきったところに施設エイドを見つけた時は素通りできず。コーラとプチトマト、大変美味しうございました。

市街地が近づきまもなく第三関門が近いなと思ってたらすっと横に並ぶ選手。この辺になると見知った人と抜きつ抜かれつなんですが、ザックもウェアもコンプレスポーツの人を見たのは初めて。90kmの選手かなと思っていたら「同じシューズですね!」と言われ、顔見たら土井さんでした。そして足元は自分と同じinov-8 TRAILROC G280。
メーカーの製造ミスでグラフェンが使われていなくて販売中止になった残念シューズなんですが、履き心地や走破性などベストマッチしてたので気にせず愛用。土井さんも同じような感想言ってて、このシューズが目に入ったんだと思います。

もちろんムリしてついていくなんてことはせず、徐々に離れていく背中を見送ります。
なぜなら、まもなく本日のメインディッシュ(延々上り続ける林道ゾーン)が待っているから。

第9回美ヶ原トレイルラン レースレポ<その3>

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