ターサージールからヴェイパーフライ4%に変えてみて感じた良い点と悪い点

フルマラソンを3時間前後で走るランナーが使うシューズといえばターサーが定番でしたが、ここ最近はナイキのズームヴェイパーフライ4%を使うランナーがプロアマ含めて爆発的に増加中。そこでそれぞれの特徴を比較しつつ、実際にハーフマラソンでズームヴェイパーフライ4%とターサージール6を使って感じた違いなどをレビューします。
※比較時の走力はフル2時間56分、ハーフ1時間25分なので近しいタイムの人は参考にしてみてください。


ターサージール6の特徴

FlyteFoam(フライトフォーム)による軽量性と、グリップ性を発揮するDUOSOLE(デュオソール)に加え、フィット性に優れたAdapt(アダプト)メッシュを搭載し、さらにスピードに磨きをかけたTARTHERZEAL。

引用:公式サイト

特徴1 とにかく軽い!

単純に軽ければいいというものではありませんが、軽さが有利なのも事実。軽すぎて履いてることを忘れてしまうという言い方も大げさではありません。

特徴2 高グリップ & 高反発

アシックスの伝家の宝刀デュオソール。グリップ性に優れた樹脂製のツブツブは着地時に小気味いい音を立て、蹴り出し時にしっかり地面を捉えて加速する安心のソール。

特徴3 クッション性と耐久性に優れたFlyteFoam

EVAの約半分、これまで使われてきたSolyteと比べても約33%軽くなったFlyteFoamをソールに使用。耐久性にも優れていて、長時間の走行でもクッション性が持続します。

ズームヴェイパーフライ4%の特徴

世界最速のマラソンランナー、エリウド・キプチョゲがベストな走りをすることを目的にデザインされ、特徴は超軽量かつ柔らかくエネルギーリターン率が最大85%にものぼるナイキズームXフォームと、シューズのソール全面に内蔵されソールの硬さを高め推進力を感じさせる曲線状のカーボンファイバープレート。これによって、今までのナイキ最速とされたレーシングシューズ(ナイキストリーク6)に比べて、ランニングの運動効率が平均4%高いことが実証されている。

引用:公式サイト

特徴1 ソールは軽量なズームX

航空宇宙産業の分野から取り寄せている特殊素材ズームX。分厚い見た目とは裏腹に軽量で高反発。

特徴2 ソールにカーボンプレートを内蔵

ソールにカーボンファイバープレートを内蔵することでとてつもない硬さ。そこで得られる推進力が他のどんなシューズでも味わったことのない異次元の走りを実現します。

特徴3 軽量なフライニットをアッパーに使用

新モデルからアッパーがフライニットなり、シューズというよりもソックスのような履き心地。足の甲に合わせてピッタリ吸い付くのでフィット感は抜群です。

フライニットは伸縮性が高いだけに耐久性は気になるところですが、後述するようにヴェイパーフライ4%は短寿命なので無問題。

おまけ 寿命はフルマラソン3本

これはヴェイパーフライ4%の宿命なので割り切って使いましょう。履き続けるとソールが潰れてしまうそうで、もしかすると使う人の体重によっても寿命は変わってくるのかもしれません。ヒール着地してたらもっと早く終わる可能性もあるので要注意。走り方によっては30kmでこうなります。

固さ

バリカタ過ぎてなんだかターサーが可哀想。

重さ

こちらはターサーに軍配が上がります。ただ、見ためのインパクトがあるせいか持った時に「軽!」となるのはヴェイパーフライ4%。

履き心地

ニットは好みもありそうですが、個人的にはヴェイパーフライ4%フライニットの圧勝。通常は靴紐で調整するのが、フライニットはアッパー全体がぴったり張り付いてピッタリフィット。靴紐がなくてもいいかもと油断したせいか、フライニットで走ってる時に1度だけ靴紐がほどけたことがあるので結ぶ時は気をつけた方がいいかもしれない。

走りの違い

※普段の練習ではズームフライを使っているので厚底での走りには慣れた状態です。比較ではフォアフット(実際はミッドフット)着地を意識したフォームで行いました。
まずkm/5’00で軽く流すだけでも違いをはっきり体感できるのが着地した時の地面からくる衝撃。ターサーは着地するたびに地面から強烈に突き上げられる感じなのに対して、ヴェイパーフライ4%は圧倒的に衝撃が少なくフワッとした接地感。ターサーがソールにFlyteFoamを採用した時は素晴らしい衝撃吸収性だなんて感動したものですが、ズームXの接地感とは比べ物になりません。

ペースをkm/4’00まで上げると、ヴェイパーフライ4%は前へ前へと押されるように足が出て自然にペースを上げられる。対してターサーは足の回転を意識しながら走っている感じ。これはヴェイパーフライ4%の中足部から先端にかけてかなりせり上がっているのが影響していて、着地をせり上がった前足部ですることで前傾姿勢のままポンポン飛ぶように走れてしまうんです。ターサージールでも同じようなフォームで走っているんですが、ソールの固さと反発力が違うのでヴェイパーフライ4%の飛ぶような感じは得られません。

ハーフマラソンを走ってみた

ヴェイパーフライ4%で河川敷のハーフを走ったら1時間22分で自己ベスト更新。その翌週に皇居のハーフをターサージールで走ったら1時間26分という結果。河川敷と皇居なのでアップダウンの有無を考えると比較対象としては微妙ですが、フラットな地点だけで比べても明らかにヴェイパーフライ4%の方が歩幅は広い。ライニングダイナミクスを見ると歩幅の違いが際立ってます。
※ズームヴェイパーフライ4%はフライニットではないモデルを使用しています。

歩幅は広い方が断然有利なわけで、実際ヴェイパーフライ4%で走っている時の方がターサーと比べてもだいぶ楽に走れます。イメージとしては一段下のギアで走ってる感じで、同じ心拍数でも1kmあたり3~5秒ぐらい早く走れる印象。4分くらいかなと思ってペース確認すると3分53秒とか。厚底のクッション性による恩恵も大きくて、ハーフを走り終えた時の足のダメージがターサーとは段違い。故障リスクを低減してくれる点でも多くのランナーから支持されるのはよくわかります。

厚底によるデメリットもあるんじゃないかと思う

飛ぶように走れて、足へのダメージも少ないとなればこれを選ばない手はないと思うんですが、実際履き比べてみて厚底シューズのデメリットもあるなと感じています。それは走り終えた時のダメージの違い。

ターサーでハーフを走り終えてダウンジョグをしたら、筋肉が張ってる上に足裏が着地の衝撃でズキズキと痛むほどダメージを受けていました。なんて足によくないシューズなんだとヴェイパー一択になりかけたんですが、思い返すと今までターサーを使ってた時にはそんなことなかったんです。ターサーとヴェイパーフライ4%では使う筋肉が違うので筋肉痛が出るのはわかる。気になったのが着地の衝撃によって受けたダメージによる痛みで、厚底シューズを履き続けたことで自分の足は着地の耐性を失っている??これまでハーフ走ったぐらいで足裏の痛みなんて皆無だったことを思うと、これからも履き続けると足腰が今より弱くなるのでは・・・。今後もこのシューズを使ってロードのハーフとフルだけ走るというなら故障リスクも減って万々歳でしょう。ただ、100kmや100mileといったレースにも重きを置いてる自分にとってこのシューズは果たしてどうなんだろうとモヤモヤするわけです。まだまだ手に入りづらいプレミアムシューズだし、そもそもフルを2時間で切るために生まれたシューズになんでも求めるのがナンセンスだとは思うけれど。

総評

ターサージール6
ここが◎
・軽さと反発力のバランスがよい万人向け
・長寿命でコスパがいい
ここが△
・足へのダメージが大きい
ズームヴェイパーフライ4%
ここが◎
・フォアフット着地で推進力を活かせれば最強
ここが△
・シューズに合わせたフォーム改善必須
・手に入りづらい&短寿命
・人によっては失うものがあるかもしれない

ヴェイパーフライ4%は単純にターサーから履き替えただけで早く走れるシューズだとは思いませんが、このシューズに合わせた走りを習得できればほとんどの人が今より早く走れるようになります。設楽選手が国内新記録を更新し、今年の箱根駅伝では区間新記録を出した選手の70%がこのシューズを使っていることからもズームヴェイパーフライ4%の効果は実証済み。
ただし、厚底シューズはいいことだけではないんじゃないかなというのが今回履き比べて感じたこと。結果わが家の靴箱には厚底と薄底が共存しています(笑

これだからランニングシューズは奥が深くて面白い。

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6 件のコメント

  • kooheyさん

    今回のナイキシューズレポートも大変参考になりました。
    私も同じく昨年秋より愛用していたアシックスを封印し、NIKE厚底シューズに切り替え中です。ズームフライは練習用に(通算850キロ使用)、ズームフライフライニットでフル5レース(2:58~3:08:平均3:04)で足へのダメージの少なさは厚底シュースの大きな利点であると実感しています(一方で下腹部から大腿部の付け根辺りの筋肉痛が毎回発生します。弱い体幹に負荷がかかるせいでしょうか?)
    あと、シューズの影響かは不明ですが、アシックス時代の左右の接地バランスが2.5%程度右寄りだったのが、NIKEに変えてからは1%以内に収まるようになりました。

    そしてつい先日、NIKE+で念願のヴェイパーフライ4%(青色)を購入できました。2月のはなももで初披露予定です。

    • いぶてつさん

      フルのダメージは全然違いますよね。フライニットでフルを5本も走られているなら厚底がしっかり身についていることでしょう。しかもヴェイパー4%ゲットはおめでとうございます。ズームフライと比べると圧倒的に飛べてしまうので、くれぐれも突っ込みすぎにはご注意ください^^; できれば(もったいないけどw)レースペースである程度の試し走りをおすすめします。はなもも応援しています!

  • 4%じゃないですけど、ズームフライフライニットを買って、たまたま今朝初めて走りました。アッパーのフィット感はメチャクチャいいですね。着地のポイントも合っているようで、走りにくくはありませんでした。
    ターサージールやHANZO Rなどの薄底では30kmまでしか脚がもたず、フルではライトレーサーを履いていましたが、この手の厚底シューズなら私のヤワな脚でもいけそうな気が…。

    • げんさん

      初めてでその感想は羨ましいかぎり。私はフォアフットが身につかず、結局ミッドフットに落ち着きましたが十分に走れています。厚底シューズのダメージはターサージールより圧倒的に少ないのですが、重量があるので30km過ぎでそこがネックになる場合も。これまでのシューズとは使う筋肉が違うので、とにかく練習で使いまくることをおすすめします!

  • 走歴1年強のサブ3.5ランナーです。
    どなたも同じようなことを言われるなと感じました。
    ペガサスターボ、ズームフライフライニットだとストライドが数%長くなり、ストライド走法を体に覚えさせるのに最適だと思います。
    ただし地面を踏みつけるような走り方になり、フルマラソンを走る時間ずっと使える走り方ではないなとも感じています。
    ターサーなどの薄底で地面を掻くような走り方も覚えた上で厚底も使うようにするのがいいかなと最近は考えるようになりました。実際、走り方を数通り覚えるとより速くムラなく走れるようになってきていますし。

    これからも色々発信して下さいね。
    客観的かつ分かりやすい文面でとても参考にしています。

    • 京のKOMさん

      コメントありがとうございます。
      私はスカイセンサーでサブ3.5、ターサーでサブ3、ヴェイパーフライ4%でサブ50と走法を変えてきて今に至ります。そして今はソーティを使いはじめて試行錯誤中だったり。あれこれ試して、それが結果に結びつくのも楽しみの一つです。京のKOMさんは1年強でサブ3.5とはこれからが楽しみですね。

      あくまでも主観ですが、感じたありのままを発信しているので参考情報の一つとして役立てていただけたら幸いです。

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