前回の続き
レース(後半)
エイドを出てすぐの急坂は富士山マラソン名物「地獄の上り坂」。あの時は足を止めずに駆け上がったけど、今日は60km近く走ってきてるのでムリすることはない。この先はkm/5’30で刻み続ければサブ9できる計算なので歩きに切りかえて一息つくことに。ここまで何度か抜きつ抜かれつで顔見知りになった人と「サブ9したいですねえ」なんておしゃべり。
坂を上りきって一緒に走り出したんですが、300mも行かないうちに倦怠感で走れなくなる。ついさっきあれだけジェルと固形物を入れたはずなのに低血糖??いやいやそんなはずは・・・なんだコレ?
少し待てばジェルが吸収されて力が湧いてくるだろうと待ちましたが回復する兆しはまったく見えず。とにかく走っても長続きしなくて1kmの1/3は歩き。ペースはガクンと落ちて6分台後半に。精進湖へ続く長い下り坂はボーナスステージのはずなのに、残念ながらスロージョグ。折り返して上っていく選手よりも全然遅かった。そういえば1年前のUTMFでもここは歩いてたっけと思い出しながら、後ろからくる選手の邪魔にならないよう左隅を走ったり歩いたり。※写真はUTMFの時
歩きながら70km通過でここまで6時間半。
ペースは見ての通りのありさまで直近10kmは76分もかかってる。
サブ9するために残された時間は2時間半。km/5’00で行かなければ間に合わないので今となっては夢のまた夢。サブ10ならkm/7’00でなんとか間に合うので目標変更。下り坂をフォアフットでかっ飛んだり、信号待ちを回避しようと猛ダッシュしたのが遠い過去に思える。なんでこうなった。
ここで同じように疲れた様子で歩いてる人がいたので親近感を覚えて話しかけてみました。しばらく雑談してたら「ひょっとしてコーヘイさん?」と尋ねられて仰天。ブログに何度かコメントをくれていたたなかさんで、つい先日のハセツネ30Kでもゴール直前に真後ろを走っていた方。あちこちでニアミスしてたけど、まさかウルトラマラソンの70km地点で会うなんて。たなかさんはサブ10狙いでまだ諦めていない。足止めしては申し訳ないので先へ行ってもらいつつ、こちらもサブ10ならばと後を追います。が、この時には倦怠感だけでなく太ももや腰回りに疲労痛が出ていて完全に売り切れ状態。終わったな。。
ペースはkm/7分~8分まで落ち、ひたすら追い抜かれ続けてどっぷりネガティブオーラに包まれていました。残り25kmはこのペースだと3時間半、、いやはや長い。それでも心の中では「ぜってえ止めねえぞ」とつぶやき続けてました。来月走る本命レース彩の国100マイルを思ってのことで、ロードの100kmで音を上げてるようじゃ上は狙えない。故障して一歩も進めないとかでない限り這ってでもゴールしてやる。そう決めて進んでいたので心が折れる気配は皆無でした。長い距離走るようになってメンタルは相当鍛えられた気がする。
腹も絶不調で、ある時など他のランナーと会話中にいきなり真顔で押し黙る私。謎に殺気立った雰囲気を察したのか先へ行ってしまいましたが、定期的にやってくる腹のゴロゴロに会話のキャッチボールどころではなかった・・・スンマソン。
90km過ぎのエイドにあったお粥が今日一番のごちそう。ありがたやありがたやと感謝しながら3個食べた。
あともう少し。
行きに気持ちよく駆け下りた坂を帰りはとぼとぼ歩いて上る。信号なんてむしろ赤でいいから休ませてくれと思うほど痛みと疲労で憔悴。面白かったのが青に変わって元気よく飛び出すのはほとんど女性ランナー。今回に限った話ではありませんが、ウルトラマラソンの終盤は女性の強さを毎回見せつけられる。10時間ちかくも淡々と走り続けるスタミナ。サブ3にはないウルトラマラソンに必要な何かがあって、今の自分にはそれが足りていない結果。
ただいま。
タイム:10時間40分
ラスト10kmは94分(km/9’30)で世界最遅のヴェイパーフライ4%。ただ、不思議と終わってみると妙に清々しかったチャレンジ富士五湖ウルトラマラソン。そんなに毎回うまくいくはずがない。これもまた経験。
敗因
結果は受け入れつつも、同じ過ちを繰り返さないために備忘録。
1.準備不足
トレランしてると8時間ぐらい動き続けるなんてざらにあるし、UTMF(30時間以上)に比べたらとロードの100kmぐらいと甘くみてました。ロードを10時間近く走り続けるのってそもそも足の使い方がトレランとは違うんです。ウルトラマラソンは同じフォームで同じ箇所に負荷がかかり続ける。その耐性が今回は全然足りなかった。チャレンジ富士五湖のコースがハードだというのもあるけど、これがフラットだったとしても足は終わっていたような気がします。
2.ヴェイパーフライ4%で走り続ける足ができていなかった
クッション性を優先したのでその恩恵は受けられましたが、このシューズはやっぱりキロ4ぐらいでないと活きません。ふくらはぎの負担を軽減するために真ん中(時にはヒール)着地にしてなるべくエコな走りを意識してましたが、つま先がせり上がっているのでどうしても前傾気味になる。結果スローペースだと推進力を殺すだけでなく足腰に変な負担がかかってたんじゃないかな。70km(6.5時間)なのにトレランで20時間ぐらい走った時と同じぐらい下半身がガチガチに固まってて、ヴェイパーフライ4%で長時間走り続ける足腰ができていなかった証拠。キロ5で走るならフラットソールの方がいいな。
3.腹の調子
今回のレースでトイレに行った回数7回。記事では面白おかしく書いてますが、実はかなり危険な行為で最も反省すべきだと思います。足底腱膜炎だろうが腸脛靭帯炎だろうが命に関わることはないけど、脱水状態だけは危険。それがあったのでレース中は頻繁に水分補給するようにしていましたが、汗で出しては水やポカリを飲み続けるので状態はひたすら悪化。エイドにお白湯なんて置いてるわけがないので、長いレースで腹の調子が悪い時は足のケガと同じぐらい継続するか考えるべき。フルマラソンならすぐ終わるけど、ウルトラマラソンはなかなか終わりません。
今年の秋に「富士五湖ウルトラ」が開催されるようです。
このまま終わるつもりはないので前向きに検討中!
kooheyさん
チャレンジ富士五湖レース、お疲れ様でした。
今回のレースレポも興味深く拝見させていただきました。
どのような結果になっても前向きにチャレンジを続けるkooheyさんんは本当に頭が下がります。
今回の敗因分析を挙げられていましたが、やはりヴェイパーフライ4%(それも消耗ギリギリ)での100Kは、相当はハンデ戦だったのではないかと。。最後の大失速にも心が折れずに完走を果たしたことは、きっと次につながることでしょう。
幸いに怪我とかなないようでひとまず安心しました。
いつかたなかさんのように、どこかのレースでkooheyさんに会えることを楽しみにしています。
(ちなみに私は、5月の柴又と6月の初サロマで100Kを予定しています)。
いぶてつさん
ヴェイパーフライ4%でウルトラマラソンを走ったという情報が見つからなかったので、ひょっとしたらと期待したんですが・・・さすがに無茶でした。これもまた経験と思っている自分もいて、ポジティブな考え方ができるのは完走したからかもしれません。
いぶてつさんは柴又にサロマですか、、攻めますね(笑 うまく柴又の疲労が抜ければサロマではきっといい走りができると思います。道中いろいろなことが起こりますが、ポジティブに楽しんできてください。応援しています!
ヴェイパーフライ+40%での完走お疲れ様でした笑、原因はたぶんシューズですかね〜
僕は去年の富士五湖が初のウルトラで、70kで肉離れになって後半30k歩き走りで何とかゴールしたんですけど、その時も、そして今回も練習でフルマラソン以上の距離は走った事がない状態で挑んでいるんですが、今年は最後まで結構淡々と走る事ができました、唯一去年と違うのはトレイルランニングを始めた事なので、その影響でロングに耐える体ができたのかな〜と思っています
たらればになっちゃいますがサブエガランナーのポテンシャルがあればGEL-DS TRAINER であればサブ9できてたように思えてしまいますね涙
参加賞の中に入っていたチラシを見て笑っちゃいましたが、今年は10月にも開催するみたいですね、リベンジですか?
たなかさん
-40%ですw
トレラン効果は大きいと思います。2~3時間のLSDと違って山入ると6時間とか平気で動き回ってますからね。たなかさんこそトレイル初めてまだまだ伸びるポテンシャルをお持ちなので、今後のロードが楽しみですね。次回どこかのレースでお会いするときはもう少し元気な姿でいたい(笑
10月は同じコースならリベンジしちゃうかもしれません。