来月の分水嶺トレイルに向けてあれこれ準備中。この大会は必携品にツエルトやコンパス、ロープにカラビナといつものトレランレースとは一味違って走力だけでなく山の力も求められます。今回受けてきた救命講習も参加要件の一つで、必須だからとりあえず受けてくるかと思って行ったらものすごく役立つ内容だったのでご紹介。
ランニングは突然死が最も多いスポーツ
心肺停止する人数が最も多いスポーツはマラソンだって知ってました?
老若男女があれだけゼエゼエしながら走ってるのでこの結果には納得。ランニング人口が多いというのもあると思いますが、東京マラソンでも毎年数名が心肺停止しています。過去12年間で約42万3千人のランナーが参加して、そのうち11名のランナーが走っている最中に突然倒れて心肺停止。
出典:東京マラソン公式サイト
驚くのがこの11名はボランティアや救護スタッフの救命活動によって100%救命されているということ。心肺停止してもすぐに救命処置をすれば救えるんです。
普通救命講習を受けてきた
救命講習のコースはいくつかに分かれているんですが、今回受講したのは普通救命講習。
受講内容 |
・心肺蘇生法 ・AEDの使用法 ・異物除去法 ・止血法 |
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講習時間 | 3時間 |
受講料 | 1,400円 |
テキストを使った座学と、
人形を使った実技で講習は3時間ほど。当日は学校や幼稚園の先生が多かった印象。
AEDはあちこちでよく目にするけど実際どうやって使うのかなんて知らなかったし、止血法を知っておけば山で役立ちます。興味持った人にはぜひ受講してもらいたいのでここでその内容を細かくは書きませんが、人形相手でも模擬練習するのはすごく大事。修了すると3年間有効の認定証が発行されます。有効期限があるというのも忘れないためにはいい仕組みだと思う。
今回救命講習を受けるまでは、倒れてる人がいても救急車が到着するまで素人は手出しするべきではないと思ってました。実際にそういう場面に遭遇しても「触っちゃダメだ」なんて言ってる人を目にします。が、講師の先生によるとこれは昔の考え方で、救命の知識があるなら迷わず行動するべきだと。救急隊員と一般人で救命知識に差はあれど、それによる影響はせいぜい1~2割だそうです。それよりも一刻も早く処置をすることが救命につながるので、現場に遭遇したら勇気をだして学んだ行動をせよと。
以下のグラフを見るとその大切さがすごくよくわかる。
出典:「心室細動による心停止後の生存退院率と心停止から除細動までの時間」より
ちなみに消防庁が平成18年に発表した現場到着所要時間は全国平均で8.6分。もし運良くAEDが見つかっても使ったことがなければ確実に手間取るし、そうしてる間に時間は経過してゆく。
救命講習の受講方法
「お住まいの場所名 + 救命講習」というキーワードで検索すると、地元の消防署が提供する情報が見つかると思います。その際に自分が住んでるor働いている地域外での受講は原則できないのでご注意を。埼玉で空いてるとこ見つけて連絡したら地元の人が優先ということで断られました。。
東京だと空いてる消防署を検索できるシステムが提供されています。
東京防災救急協会
コレ使ってみるとわかるんですが、週末はどこも相当先までいっぱいで全然受けられません。救命講習を受ける人が年々増えているそうで、場所によっては申込み開始後すぐに埋まるそうな。警備会社でも受講を義務付けてたりするのでオリンピックとか影響してんのかな??そんなこと知らず、分水嶺トレイルまでに受ければいいだろうと気楽に考えてたら週末はどこも空いてなくて半べそかいたのは私。
Webだとどこも一杯で申し込めないので、ダメ元で消防署へ直接連絡したらあっさり予約できて拍子抜け。この辺は厳密に管理してない感じなので早めに受講したい人は消防署へ直接問い合わせるのが近道。
受けとけばよかったと思う前に
冒頭の東京マラソンだと、ふだん走り慣れていない人がムリをしてしまったという可能性もあると思います。それも見越して大量のボランティアと救護スタッフが投入されているからこその救命率100%。これが地方のローカルレースだったり、ましてやトレランレースで山奥でそんな場面に遭遇したら・・・。レースじゃなくても一緒に走ってる仲間がいきなり心肺停止する可能性だってゼロではありません。以前分水嶺のコースを試走をしてる時に金峰山で動けなくなったハイカーを助けたことがありますが、もっと深刻な場面に遭遇することだってあるかもしれない。
心臓に負担をかけるスポーツをしているからこそ、いざという時に対応できる術を身につけておくべきじゃないかと今更ながらに感じた日曜日。これ読んで受講してみるかと思う人が一人でもいてくれたら本望です。
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