ランニング後のケアといえばストレッチやマッサージをするのが一般的ですが、高負荷の練習をした後は筋肉痛がなかなか治らなかったりするもの。そんなダメージが大きい時にはマイクロカレント(微弱電流)を使って治療を行うと疲労回復が早まると言われていて、ランナーはもちろんサイクリストなど足を酷使するスポーツのトップアスリートにとって一般的になっています。今回オムロンからコードレスの低周波治療器が出たというので使用感などをレビュー。ちなみに同様のマイクロカレント治療機器であるAT-mini2(アスリートミニ)をずっと使っているので、そちらとの違いなども比較してみました。
低周波治療とマイクロカレント(微弱電流)の効果
人間の体はあらゆるところから弱い電気を発生(生体電流)していて、外部から電気的な刺激を加えられると敏感に反応して変化を起こす性質があります。その作用を利用して、体に電気を流すことで筋肉を縮めたり緩めたりすることができ、ポンプ作用が働き血液の流れを促進します。ポイント練習をした翌日に疲労抜きジョグを行うのもこの血行促進が目的で、その血行促進を微弱電流によって行うのが低周波治療。
筋肉にダメージを受けたマウスの足に微弱電流を流した実験では、筋衛星細胞(筋肉細胞の回復に使われる)の数が微弱電流を流さなかった時よりも2倍近く増加。これがケガの回復を早めたと考えられています。
トップアスリートの治療では一般的
先日放送されたNHKのクローズアップ現代で専門家がこんなことを言ってました。
オリンピック委員会 強化スタッフトレーナー 後藤勤さん
※100m走で日本初の9秒台を出した桐生祥秀選手のトレーナー
マイクロカレントを当てることによって、治療が早まったと感じたことは何度かある。トップアスリートの治療(ケア)には、欠かせない。聖マリアンナ医科大学 スポーツ医学 藤谷博人教授
マイクロカレントをやった方が、何でこんなに(治療が)早いのかなと、本当に驚いた。一般の、今までの知識とは違う。非常に価値がある。
私自身2年前から足のケアにはAT-mini2を使っているのでマイクロカレントの効果は体感ずみ。
オムロン コードレス低周波治療器 HV-F602T
すでにAT-mini2を持っているのにオムロンのHV-F602Tを買ってしまったのにはワケがありまして。それがこれからご紹介する3つの特徴。
特徴1. 電気治療とマイクロカレントが両方できる
まずコレ。そもそも電気治療とマイクロカレント(微弱電流)では流れている電流の強さが違います。電気治療はよくあるこんなので、パッドを貼り付けた部位がビクンビクンと脈打って揉んだり叩いたりを擬似的に体感することができる。低周波マッサージという言い方が一般的でしょうか。
対してマイクロカレント(微弱電流)は流してる間まったく何も感じません。肌の湿り具合によって時々ピリピリ感じることもあるけど基本は無痛。これで効果があるのかと疑問を感じますがそこは前述のとおり。使う時はまず電気治療でコリをほぐして、その後マイクロカレントで血行促進がお気に入りパターン。
特徴2. コードレス
最も惹かれたのがコードレスという点。AT-mini2だと本体を首からぶら下げて、両足にコードが垂れ下がっています。じっと横になって治療しているなら気にならないんですが、何か作業していたり歩いたりする時はやっぱり邪魔。そしてコードレスになった一番のメリットは思い立ったらすぐに使えるということ。パッドを貼り付けて、コードを接続して、引っかからないようにコードを取り回して。この一連の準備作業がなくなることで低周波治療器を使う回数が倍増した(笑
充電は本体を乗せておくだけ。もっとも電池の持ちはかなりいいので充電すること自体ほとんどありません。
特徴3. スマホでコントロール
極めつけはこちら。本体には電源ボタンしか存在せず、マッサージタイプや強弱などあらゆる制御をスマホアプリから行います。このアプリがまたよくできておりまして、各コースや強弱の調整、過去の治療履歴やパットの残り寿命なんかまで管理できちゃう。マイクロカレント(微弱電流)は体感できないだけにちゃんと電気送ってくれているのか不安になりますが、状態をスマホで見れるので安心。
まずコースを選択して、
左右が完全に独立しているので、コースや時間を変えて使うなんてことも可能。
強弱の調整が手元でできるのはすこぶる便利で、コードレスとスマホアプリは最強の組み合わせだと思う。
オムロン HV-F602TとAT-mini2を比較
AT-mini2を2年使ってきたので、それぞれの使用感を比較してみます。AT-mini2って何?という人はこちらをどうぞ。
まず両者で異なるのが低周波治療の有無。オムロン HV-F602Tは低周波とマイクロカレントが選択可能。ただ、低周波治療器の効果をドクター数人に尋ねたら皆さん口をそろえて「やらないよりはマシ」と言ってたので過度な期待はしないほうがいいのかもしれません。効果はともかく、疲労した部位をマッサージされるのが単純に気持ちいい。
それぞれマイクロカレント(微弱電流)を使って治療してみましたが、特段違いを感じるほどではなかった。この感じ方は個人差があって、そもそもマイクロカレント自体に効果を感じないという人もいるのであくまで個人的な感想です。オムロン HV-F602Tはマイクロカレントのコースが30分の一択なので、終わるたびにスマホを操作して延長する必要があるのは若干手間。長時間治療を行いたいならAT-mini2の方が楽です。パッドの大きさはHV-F602Tの方が大きいので、太ももなど大きな筋肉をしっかりカバーできます。
替えのパッドにはLサイズもあるので太もも用にはこれ使おうか迷ってます。
本体の大きさでは圧倒的にAT-mini2の勝利。オムロン HV-F602Tはパッドに筐体がついてる関係でやや大きめ。細身のスーツなんかだと厳しいかもしれません。それに対してAT-mini2はペラペラのパッドを貼り付けるだけなので心配不要。コードは邪魔だけどね。
持ち運ぶ時もHV-F602Tはちょいとでかい。
総評
ここが◎
・コードレスは何者にも代えがたい
・電気治療とマイクロカレントの両方できる
ここが惜しい
・替えパッドが高め
・持ち運ぶ時にややかさばる
ここが◎
・長時間のながら治療ができる
・替えパッドがリーズナブル
ここが惜しい
・コードが邪魔
私はこうやって使ってます
インターバル走やロング走をした後はまず低周波マッサージで凝り固まった筋肉をほぐし、そのあとマイクロカレント(微弱電流)で治療。大会だったら帰りの電車で治療しながら帰ることもよくあります。低周波マッサージしながら車の運転はさすがに危ないのでやりませんが、マイクロカレントなら何も感じないので運転に支障はありません。他には仕事中にふくらはぎに貼り付けていたり。電流上げすぎると貧乏揺すりの激しいヤツだと思われるのでご注意を(笑
この3ヶ月間はかなり練習負荷が高くていつ故障してもおかしくない状態でしたが、幸い大きなケガもなく乗り切ることができたのはコレによる効果も大きいような気がしてます。ランニングが習慣になると走らないでいることの方が難しくなるもの。そして自分を含め走りすぎて故障する人がどれだけ多いことか。走るのと同じぐらい休む&ケアが大事なので、転ばぬ先の杖として低周波治療器はすべてのランナーにオススメです。これから先もずっと走り続けようと思っている人はぜひ!(ちょい高いけど・・・)
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